ボタンを「ポチッ」→おにぎりが「バン!」 朝食バイキングの現場で目撃された「自動握り機」が家に一台欲しいレベル
お弁当の大定番といえば、やっぱりおにぎり。ただ、お米を炊いて、具材を詰めながら形をつくって......と、自分で作るとなるとちょっとめんどくさい。
そんなおにぎりを超簡単に作れる代物があるらしい。ツイッター上で話題になったのは、こんな「マシン」だ。
こちらは、神戸市在住の会社員・水越柚耶(@m_yu_ya)さんが、2022年10月15日に投稿した写真。白いボディに黒い取り出し口と「おにぎりボタン」と説明された黄色いボタンがくっついた機械。そして、取り出し口には中央が凹んだ白米のおにぎりが。
そう、これはボタンを押せば三角形に成形されたおにぎりが出てくるマシンなのだ!
便利かつ遊び心も感じられるマシンに、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「楽しい!何回も押しそう!」
「具を入れる穴っぽいのあるの画期的すぎる」
「これはお家にほしいです」
このマシン、一体どこで見つけたの? Jタウンネット記者18日、投稿について水越さんに話を聞いた。
「もっと時間がかかるものと......」
水越さんが「おにぎりマシン」を発見したのは15日の朝8時半ごろ、岐阜県高山市にあるレジデンスホテル高山駅前の軽食コーナーだった。
「宿泊者向けの軽食コーナーがあるということで軽食券を持って2階にある『つきみ茶屋』へ入ったところ、目の前に大きな見慣れないマシンが置いてありました。
ボタンを押した瞬間に『バン!』とおにぎりが取出口に出現。もっと時間がかかるものと思っていたので驚きました」(水越さん)
おにぎりを取り出したあとは、お皿に移し替えてマシン横に用意された様々な具材から好きなものを選び、それをインして完成。おにぎりの中央にすでに具材を入れる凹みがあるのが「良かった」とのことだ。
「1つあたりのサイズは少し小さめに感じましたが、美味しかったですよ。具材も選べてその場で作れるわけですから、コンビニおにぎりより新鮮で良いと思います」(水越さん)
誰でも手軽に自分好みのおにぎりを作れるなんて、宿泊客にも喜ばれそうだ。Jタウンネット記者は21日、マシン導入の経緯について、同ホテルチーフの大杉青紗(せいさ)さんに話を聞いた。
構想は30年ほど前からあった
大杉さんによると、ホテルにマシンを置き始めたのは半年ほど前のこと。
「当ホテルにはもともとバイキング形式のような食事会場はなく、近くの別のホテルの会場を案内していたんです。しかし、Go To トラベルなどの影響で宿泊客が増加したことに伴って、当ホテル自体にもそうした会場を設けるべきだと考え、導入しました」(大杉さん)
導入からはまだ半年ほどだが、宿泊する主にカップル客や小さい子供連れのファミリー客などに人気だという。
また、記者は20日、マシンのメーカーである不二精機(福岡県福岡市)にも話を聞いた。取材に応じた営業部の島田政昭さんによると、「自動でおにぎりを作れる小型の機械」という構想は、30年ほど前からあったという。
「弊社はコンビニのおにぎりを作っている工場に提供するための機械を作っているのですが、30年ほど前から、工場で使うような大型のものではなく、スーパーの店舗や飲食店などで使える小型のものも欲しいよね、という声がありました」
そうしたニーズに応える形で開発されたのが、小型おにぎりロボットの「にぎってPON」シリーズだ。ちなみに、最新型は「にぎってPONⅢ」で、10年以上前に開発されたものだという。
「現在は、スーパーのバックヤードや、サイドメニューとしておにぎりを提供する飲食店といったシーンで活躍しています。本来はおにぎりを取り出すとすぐに次のおにぎりが出てくるセンサー式が標準タイプですが、オプションによってボタンを押すたびに出てくる方式にすることも可能です」
もしも水越さんのようにホテルのバイキングなどで見かけたら、ついつい何回もボタンを押してしまいそうだ......。