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宮島写生大会告知ポスターに「大鳥居の工事現場」がドーン! 難度高すぎない?主催者に狙いを聞いた

松葉 純一

松葉 純一

2022.09.04 08:09
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2022年8月31日、とあるツイッターユーザーから、次のような写真画像が投稿され、いま大きな注目を集めている。

(画像は投稿者提供)
(画像は投稿者提供)

広島県きっての観光地である宮島で開催される写生大会の告知ポスターのようだ。投稿画像には、次のようなコメントが添えられていた。

「今までは朱い鳥居を描けば良かったのに、足場が組まれたことで難易度が爆上がりした伝統的写生イベントがこちら」

ポスターに使われている写真は、水上に浮かぶような「工事現場」。ガッチリ組まれた足場の奥から、有名な赤い大鳥居がうっすらと透けて見えている。

厳島神社の大鳥居は、2019年6月から約70年ぶりの大規模な保存修理工事の途中で、今は全体を覆うように足場が組まれ、ネットまで掛けられているのだ。

この状態を写生するのは、なかなか高難度かもしれない。それでも大会を実施するという事態に、ツイッター上は騒然。

「難易度高すぎる」
「これはこれでカッコイイ (描きたくは無いw)」
「こんなの3時間じゃ描けないよォ(試験会場で号泣)」
「鳥人間コンテストの足場かと思いました」
「完了直前なら完了してから開催すればいいのに笑」
「心の目で見るやつ?」

など、さまざまなツッコミが飛び交っている。「笑かしてもらいました」といったリプライも目立った。

ポスターでは「大鳥居修理工事完了直前特別企画」と強調されているようだが、なぜ工事中のこの時期に開催するのか? Jタウンネット記者は9月1日、主催者である宮島観光協会に電話での取材を試みた。

あえて工事中の大鳥居の貴重な姿を!

(画像は投稿者提供)
(画像は投稿者提供)

宮島観光協会写生大会係の担当者は、記者の問いにこう答えた。

「この工事は2019年6月に開始され、もう3年以上が経過しています。厳島神社としても75年ぶりの大工事だと聞いております。
足場が組まれている状態の鳥居を、あえて写生してもらい、作品として残して、記録に留めてもらいたい......、実はそういった狙いがあります」(宮島観光協会写生大会係担当者)

2019年の工事開始後、世間を襲ったものといえばコロナ禍だ。写生大会は開催されていたものの、参加者は約2割減ってしまったという。

また、参加者は神社や五重塔などを描くことが多くなり、大鳥居を描いた作品はほとんどなかった。今回は、足場が組まれた大鳥居にも、ぜひ挑戦してもらいたいそうだ。

「今だからこそ描ける、工事中の大鳥居の貴重な姿を、1枚でも多く作品としてカタチに残し、『令和の大改修』を後世に伝承するためのひとつの手段となれば幸いです」(宮島観光協会写生大会係担当者)

厳島神社の公式ウェブサイト上にある「工事状況及び計画ご案内」のページによると、工事の終了予定日は2022年12月。具体的な日程は確定していないが、「令和4年中に工事は終了し、年末には工事足場を撤去できる見込みとなりました」としている。

写生大会で足場付きの鳥居を描くチャンスは、これが最後になるだろう。

「時間が限られているので、かなり難しいかもしれませんが、創造力を働かせて、素晴らしい作品を期待しています」

と、担当者は語る。

大会は雨天決行、当日はテントが用意されるそうだ。写生の対象は、宮島町内の史跡や名勝など、基本的には何でもOKとのことだが......せっかくなら、今しか見られないものを描いてみるのはどうだろう。

絵に自信のある人、宮島に関心がある人はぜひ、10月1日か2日の朝、宮島桟橋前広場特設テントへ。

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