超激レア!一つの茎から二つの花を咲かせる「双頭蓮」に注目集まる その確率は「1万本に1本」
長野県の農園に出現した「めちゃくちゃレアな蓮」の写真が、ツイッター上で話題になっている。一体どういう点がレアなのか。気になる実物の写真が、こちらだ。
こちらは、長野県上田市で蓮の花の栽培・販売をしている「やまもと農園」のツイッター公式アカウント(@yamamoto_farm)が2022年8月23日に投稿した写真。
ビニールハウスの中に生い茂っている、たくさんの蓮の葉。その中から飛び出している1本の茎からは、なんと2つの花のつぼみが! 写真に添えられたコメントによると「双頭蓮(そうとうれん)→1本の茎から2つの花をつける超レアな蓮です」とのことだ。
珍しい蓮の花に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「可愛いです。きっと綺麗なお花を咲かせるんでしょうね」
「どんな風に咲くのか楽しみです」
「普通に咲いているだけでもとっても綺麗なのに楽しみが一気に2倍、みたいな感じがします」
Jタウンネット記者は24日、やまもと農園の園主・山本泰士さんに詳しい話を聞いた。
6年間で初めての発見
山本さんが双頭蓮を見つけたのは23日お昼ごろ、蓮たちに水やりをしていた時のこと。農園を開いてから6年目にして、初めての発見だったという。
「特に何か特別な育て方をしたわけではなく、他の蓮とまったく同じ要領で育てていたので、びっくりしました。双頭蓮は吉兆の証とも言われているおめでたい花なので、開花までしっかり見守りたいと思います」(山本さん)
山本さんの見立てでは、天候や気温などにより前後する可能性はあるが、大体1週間以内には開花するだろうと語る。そしてその予想通り、取材の2日後(発見から4日後)の26日、ついに花が開き始めた。
そして、29日には散り始めたとのこと。花の命は儚い......。
それにしても、6年間でやっと1本の発見とは、双頭蓮というのはどれだけ珍しい現象なのだろう。
Jタウンネット記者は26日、東京大学田無キャンパス・生態調和農学機構の、観賞用蓮に係わる教育研究施設「東大ハス見本園」にも話を聞いた。
「突然変異とは限らない」
取材に応じた同機構・技術専門職員である石川祐聖さんは、双頭蓮が出現する頻度について「『1万~1万5千本に1本』、『2~3年に1本』と考えています」と見解を述べる。
「双頭蓮に注目して調査を行っているわけではありませんが、本数については当施設で行っている花の調査結果からの推定になります。年数についても当施設での頻度ですが、全国に範囲を広げれば開花の情報を毎年1件以上は見かけるように思います」(石川さん)
双頭蓮が発生する原因について、石川さんは「正確にはわからない」としつつ、「花芽が分化、生長する過程で何らかの異常が起きたため」と推測する。
なお、いわゆる「突然変異」によって発生したという可能性については
「突然変異は遺伝的な変異が起きた場合に使われる表現ですが、双頭蓮になる要因は外的な要因(物理的な刺激)の可能性もあり、突然変異とは限らないと考えています」
とのことだ。
発生する要因は定かではないが、やはりとても珍しい現象であることは確か。花びらが落ちるまでわずかな時間だが、存分愛でて目に焼き付けるのがよさそうだ。