あらゆる投票に行きたくなりそう コレクター心をくすぐる「選挙パスポート」に注目集まる
2022年7月10日、第26回参議院選挙が行われた。
読者の皆さんは、自分が今まで何度選挙に行ったか覚えているだろうか。衆院選に参院選、知事選に地方議員選......回数なんて、いちいち数えていないという人も多いかもしれない。
しかし、日本中を見回してみると、自分がどんなふうに選挙に参加してきたかの記録を残していけるようになっている自治体もある。
たとえば、岐阜県関市だ。
こちらは関市の刃物メーカー・林刃物がツイッターアカウント(@allex_japan)が投稿した画像。タレントの渡辺満里奈さんが7日、「よかったらみんなの投票済証見せてほしい!」と呼びかけたツイートに対し、リプライで送ったものだ。
緑色の小さな冊子には市章と共に「選挙パスポート」という文字が箔押しされているが......それって一体、なんなんだ?
「おおっ!初めての形」
「選挙パスポート」という存在に渡辺満里奈さんは「おおっ!初めての形」と反応。さらにほかのユーザーからも、こんな声が。
「おおっ これはグッドアイディア」
「コレクター魂をくすぐる。欲しい!」
「えー!!いいなぁ、これ。投票の履歴残るし、投票行きたくなるよねー」
関市の公式ウェブサイトによると、選挙パスポートは「選挙のスタンプ帳」で、投票に行くと希望に応じてスタンプがもらえるそう。大きさは日本国のパスポートと大体同じ大きさで、100回分のスタンプが貯められるようになっている。
改めて画像を見ると、衆参両院の国政選挙だけでなく、県知事選や市議会選も対象になっている。コレクター癖がある人にとっては選挙に行くのが楽しみかつ、「行かなくてはならない」という気持ちが強くなりそうなシロモノだ。
13日、Jタウンネット記者の取材に応じた関市選挙管理委員会の職員によると、同市で選挙パスポートが導入されたのは2013年。同年1月に行われた岐阜県知事選挙に合わせて、直前の成人式で配布したのが始まりだという。以降、成人式で毎年配布され、選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられてからは高校生3年生にも配布している。
「当時の選挙管理委員会の職員が、若年層の投票率向上のために考案しました。『集める』という行為が継続して選挙に来てもらえることにつながるのではないか、との考えもあったようです」(関市選挙管理委員会の職員)
選挙パスポートを導入したのは、関市が全国で初めて。この施策は反響を呼んだようで、導入後に複数の自治体から問い合わせがあり、山口県宇部市や愛知県犬山市も関市を参考に同様のシステムを採用したという。
「投票率アップにつながっているかの数値は取れていませんが、投票所では選挙パスポートを持ってきてくださる方の姿を見かけます。ちゃんと使っていただけているのは嬉しいですね」
と担当者。新成人以外も、希望者には投票所で配布されている他、選挙管理委員会に問い合わせれば入手できる。
まだまだ一般的とは言えない選挙パスポートだが、関市で作られたこのシステムがこれから全国に広がっていく可能性もあるのかもしれない。