「DV夫から逃げるために乗った朝イチのバス。運賃を払おうとすると、運転手に無理だと告げられ...」(熊本県・30代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Yさん(熊本県・30代女性)
Yさんはその朝、5000円札を握りしめてバスに乗車した。当時の夫のDVから逃れるためだ。田舎にある夫の地元から実家に帰るため、街を目指す。しかし、降りる段になって運賃が支払えないことが分かったという。
<Yさんの体験談>
18歳の夏、私は妊娠中でした。そして、当時の夫からDVを受けていました。
私はそれに耐えられず、自分の地元に帰ることにしました。財布も持たず、5000円札だけを握りしめて......。
財布も持たずに飛び出した
その時住んでいたのは、田舎にある夫の実家の近く。私にはそのあたりの土地勘がありません。
だからとても不安だったのですが、朝一のバスに乗って街を目指しました。そのバスに乗るのも、初めてでした。
しばらくして目的のバス停に着くと、私も運賃を払うため、持っていた5000円札を出しました。すると、運転手さんが言いました。
「それでは払えないよ」
他にお金を持っていない私は、どうすればいいかわかりません。
そこに、同じバス停で降りる大学生くらいの男の人が声をかけてきました。
「知り合いじゃなかったの?」
「じゃあ自分が一緒に払いますよ。2人分、1000円で足りるでしょ」
彼はそう言って、私の分の支払いを済ませてくれました。
何が起きたのかわからず、私は呆然。すると運転手さんが「知り合いじゃなかったの? お礼を言わないと!」。
私はバスを降りて彼を追いかけましたが、街の中心部で人が多かったこともあり、見つけられませんでした。
当時の私は色々な不安でいっぱいでした。そんな時に助けてもらい、こんなに優しい人もいるんだと大泣きしました。14年たった今でも、バスを見ると思い出します。
どこの誰なのか今となっては調べるすべもありませんが、あの時は本当にありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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