大量の小銭、お肉に「変換」しませんか? 京都の精肉店が始める「異例の取り組み」
お釣りでもらった500円玉をコツコツと貯め続けるような小銭貯金をしていた人が、読者の中にもいるかもしれない。
しかし昨今、小銭での入金や両替に手数料が発生する金融機関が増えている。
銀行に持っていけば損をするし、会計で大量に使えば店に迷惑が掛かる――そんな小銭を一杯持っているけど、使い道に困っている人に嬉しいサービスが始まる。
京都と滋賀に6店舗を展開する精肉店「お肉のスーパーやまむらや」(本社:京都市右京区、以下やまむらや)は、2022年6月5日から毎月5日限定で「小銭払いサービス」を開始する。
今後同店では毎月5日が「小銭だけで支払える日」に。もちろん小銭以外での支払いも可能だが、小銭だけを使う場合は店内に設置されたコインカウンターで小銭を計測し、その結果と同じ金額のやまむらやで使える商品券と引き換えられる。なお、商品券が使えるのは発行した当日だけ。
今まで貯め続けてきた小銭を損なくお肉に変えて、豪華な食事に......そんなことが可能になるのだ。
小銭貯金を持て余していた人には朗報だろう。ただ、店側からしてみれば、かなり手間をとる煩わしい企画のようにも見える。はたして、ちゃんとできるのだろうか。
5月30日、Jタウンネット記者はやまむらや広報事務局の担当者に話を聞いた。
得するのは客だけじゃない?
広報事務局の担当者によると、「小銭払いサービス」は多くの金融機関で小銭の取り扱いが有料になったことを受けて、やまむらやの社員が発案したのだそう。
「精肉店としては異例の取り組み」だというが、運用の目途は立っているのかを聞くと、
「全6店で行いますし、毎日やっていては大変だという想定からまずは1か月に1度、日を決めて行うことにしました。
とにかくやってみないとわからないですから、未知数の企画です。今後実施していく中で運用の仕方なども変わっていくかもしれません」
との答え。
チャレンジ精神旺盛なやまむらやだが、もし企画が好評で小銭が溜まり過ぎたら、店側も困ってしまう可能性もある。その点はどう考えているのだろうか。
「かなり溜まってしまうかもしれませんが、店も釣銭で使いますし、溜まり過ぎて困るようなことはないだろうと想定しています。それに両替も実施しますから、それで消化できるのではないかとも考えています」(やまむらや広報事務局の担当者)
実は「小銭払いサービス」開始後、近隣で小銭がほしい店があった場合、やまむらやで手数料なしで両替ができるようになるのだ。客だけではなく、やまむらや周辺の店舗にも嬉しい企画かもしれない。
「両替を通して、近隣店舗様との横の繋がりも作っていけたら嬉しいです。近隣店舗の方々に企画の周知をするのはこれからしていきます」(やまむらや広報事務局の担当者)
「とにかくやってみないとわからない」――取材中、何度もこう口にしていた担当者。客だけでなく、近隣店舗も巻き込んだ小銭払いサービスはどうなっていくのか。今後の展開に注目だ。