「幼い息子たちと乗った新幹線で、隣は仕事中の男性。後で長男が『あのおじさん、お母さんがいない時...』」(東京都・40代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Fさん(東京都・40代女性)
その日、Fさんは2人の幼い息子を連れて新幹線に乗った。すると座席で、下の子がぐずりだしてしまったという。
隣には仕事中の男性。彼女が泣く子をあやすために、上の子をその場に残して席を立つと......。
<Fさんの体験談>
5歳と1歳の息子を連れて新幹線で帰省した時の話です。私達は3人シートの窓側から2シート取っていました。
時間は夕方くらいで、車内は混雑していました。通路側にはパソコンで仕事をしている男性がすでに座っています。私たちは「すみません」といいながら席に着きました。
上の子にお菓子を食べさせていると下の子がぐずりだしたので連結部分に移動して泣き止ませようと立ち上がりましたが、上の子はお菓子を食べてるので動こうとしません。
「絶対に動いちゃダメだよ」と約束して私と下の子だけ移動しました。もちろんドアの向こうから席の方を確認しながら。
泣き止んだと思ったのに、席に戻ると...
下の子がウトウトし始めたので席に戻ると上の子は変わらずお菓子を食べていました。
ホッとして席に着きましたが、下の子がまたぐずりだします。「どうしよう......」と思っていたら私の後ろの席から私の母ぐらいの女性が声をかけてくれました。
「大丈夫大丈夫。泣くのが仕事だからね~」
彼女はそう言って、ぐずる子供とハラハラする私を落ち着かせてくれたのです。
不思議と子供も落ち着いたのか、すぐに眠ってしまいました。 しばらくすると駅に着き通路側の男性が降りる準備を始めたので
「騒がしくてすみませんでした」
と声をかけると「いえ...」とだけ言って降りて行きました。
「やっぱりうるさかったよな」と思う私に...
「やっぱりうるさかったよなー」と思っていたら上の子が
「あのおじさん、お母さんがいない時パソコンでポケモン見せてくれてたんだよ」
と言いました。
その男性は、恐らく私と同じ歳ぐらい。もしかしたらお子さんが同じぐらいだったのかもしれません。こんな世の中優しい人がいるんだとこっそり泣いてしまいました。 辛いことも多い世の中ですが優しい人も多いのも事実です。
私も誰かに優しくしたいと思いました。優しさの連鎖がつながれば優しい世界になりますよね。
本当にあの時はありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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