「受験から帰る電車で、見知らぬ子連れ女性に話しかけられた。まさかその後、お付き合いが始まるなんて...」(兵庫県・50代女性)
シリーズ読者投稿~忘れられない「あの人」と~ 投稿者:Sさん(兵庫県在住・50代女性)
その人に声をかけられたのは、受験から帰る電車の中だった――。
今回ご紹介するのは、Jタウンネット読者のSさんの高校生時代の忘れられない思い出だ。見知らぬ人に声をかけられ、初めは警戒していた彼女だったが......。
<Sさんの体験談>
その人に話しかけられたのは、受験の帰りの電車の中でした。
その当時、私は田舎で不仲な父と二人暮らし。都会で受験をして、合格すれば家を出て一人で生活する......行き先の見えない分かれ道に立っていた、垢抜けない痩せっぽちの高校3年生でした。
その姿が不安げに見えたのでしょう。もしかして思い詰めた顔をしていたのかもしれません。あまりにも心細そうに立っている私が放っておけず、思わず声を掛けてしまったそうです。
その人は、利発で明るくいつも気の利いたユーモアで笑わせてくれる女性で、幼稚園児くらいの息子さんと一緒でした。
その日から始まった2人の交流
見知らぬ人に、しかも電車の中で声を掛けられ、世間知らずの高校生の私でも一応警戒はしました。
何を話したかは忘れてしまいましたが、彼女の暖かさ、寂しげな少女が心配でつい声を掛けてしまったというその優しさと善意を本能で信じてしまったのでしょう。私と彼女のお付き合いがその日から始まったのです。今考えても、奇跡だと思います。
交流が始まってからは、ご自宅に招待してくれたり、春からの下宿先が決まった時には大家さんへの挨拶に付き添ってくれたり。びっくりですよね。
いつの間にか会わなくなり、電話もしなくなり、住所も、その人の名前もわかりません。でも、決して忘れられない人です。
ありがとうを届ける代わりに、私がもらったぬくもりをこれから誰かに伝えていきたい。......ねえ、それでいいですよね?
今でも忘れられない人はいますか?
Jタウンネットでは読者の皆さんの「忘れられないあの人」との思い出を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッターのダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、その人に出会った時期・場所、具体的なエピソード(どんな関係性だったか、どんなやりとりをしたかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)