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タイの骨に「謎のコブ」発見したらラッキーってホント? 専門機関に聞いてみた

福田 週人

福田 週人

2022.04.05 08:00
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「離乳食に鯛を仕込んでいたら、骨にコブが...」

そんなコメントと共に投稿された魚の骨の写真が、ツイッター上で話題になっている。

コブみたいな突起が......(画像はカバ子@hene3maternityさんのツイートより)
コブみたいな突起が......(画像はカバ子@hene3maternityさんのツイートより)

こちらは、東京都在住のツイッターユーザー・カバ子(@hene3maternity)さんが2022年3月27日に投稿した写真。

身の部分を取り除いた魚の骨の一部分が、なにやらボコっと盛り上がり、たしかにコブのようになっている。

「病気だったらどうしよう」

そう思ったカバ子さんが調べてみると、これは「鳴門骨(なるとぼね)」と呼ばれる現象で、縁起物のように扱われていることがわかったそう。カバ子さんが偶然見つけた「鳴門骨」に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。

「なんか良いことありそうですね」
「コブ付きは相当レアですね」
「当たりの鯛やん」

Jタウンネット記者は「鳴門骨」について調べてみることにした。

激レアな縁起物?

カバ子さんは27日、キッチンで息子の離乳食の仕込みをしていた時、タイの身をほぐしているときに「鳴門骨」を発見。なお、タイはコープの店舗で購入したものだという。

「(発見時は)とても驚いたと同時に、『もし病気の魚なら息子には食べさせられないな』と思って、すぐに詳細を調べました」(カバ子さん)

結果、病気ではなく珍しい骨であったことが判明。ただ、投稿に対して多くの反響がある中で、「逆にこれが当たり前だと思っていた」、「捌く時に苦労するから、魚屋や料理人にとっては縁起物ではなく厄介者」など、様々な意見も寄せられたという。

「いずれにせよ『鳴門骨のある鯛は美味しい』というのは確かなようなので、それを息子に食べさせてあげられたのは大変嬉しかったです。
今後鯛を食べる際は味だけでなく鳴門骨があるかどうかの楽しみも増えたなぁと思います」(カバ子さん)

その後、発見した「鳴門骨」はいつか息子に見せてあげるため、記念に保管してあるそうだ。

カバ子さんのように「見たことがない」という人もいれば、むしろあることが「当たり前」と思っている人もいる「鳴門骨」。改めて、一体どういう骨なのだろうか。

鳴門といえば、徳島と淡路島の間にある鳴門海峡。というわけで記者は31日、徳島県立農林水産総合技術支援センター(徳島県石井町)の水産研究課(以下、徳島水研)に話を聞いてみることにした。

実際のところはどうなの?

取材に応じた徳島水研の研究員によると、「鳴門骨」ができる詳しいメカニズムは明らかになっていない。

「『厳しい環境の中で育ったために骨折を繰り返した結果こういう骨が出来た』というのは、よく言われている説ではあります。ただ、『鳴門骨』は養殖の真鯛などにも見られる現象なので、鳴門海峡の厳しい環境に起因する、というものではないと思います」(徳島水研の研究員)

一定の確率で出現する「奇形」のようなものだというのが、2022年現在の徳島水研の見解であるとのこと。その骨に「鳴門骨」と称される理由については、「鳴門海峡の厳しい自然に耐えてできた、という昔からの俗説から、そう呼ばれるようになったのではと思います」。

マダイなどに見られる「鳴門骨」(画像はイメージ)
マダイなどに見られる「鳴門骨」(画像はイメージ)

また、鳴門骨ができるのはタイに限った話ではないという。

「『鳴門骨』は、主に老体のマダイや太刀魚などに見られることが多い骨です。必ずしも存在するわけではなく、狙って見つけることは難しいと思います」(徳島水研の研究員)

ただ、かといって珍しいものなのかどうかについては「何とも言えない」とのこと。また、残念ながら「鳴門骨がある個体は、無い個体よりも美味しい」という客観的なデータも存在しないようだ。

というわけで今後、マダイや太刀魚を食べるときは「鳴門骨」があるかどうか探し、「本当に鳴門骨がある方がおいしいのか」を検証してみるのも面白いかもしれない。

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