熊本人激推し「熊本もっこすラーメン」食べてみたら→とにかく麺がウマすぎた!
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第七十六回 五木食品「熊本もっこすラーメン」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第七十六回目となる今回は、五木食品の棒ラーメン、「熊本もっこすラーメン」をレビューします。
「熊本もっこすラーメン」は、熊本の五木食品が販売する、熊本ラーメンの味を再現した棒状ラーメン。
広く出回っていて、ご当地熊本はもちろん、日本全国で買うことができます。
地元での支持が厚い「熊本もっこすラーメン」
棒状ラーメンは鍋調理するインスタント袋麺の一種ですが、一般的な袋麺に入っている塊になった縮れ麺ではなく、まるでパスタのようなストレート麺。
全国的には「マルタイラーメン」が有名ですが、福岡のマルタイだけではなく、佐賀のサンポー食品、今回の五木食品など、棒状ラーメンは九州の地場メーカーに多い商品形態となっています。
九州で「マルタイラーメン」とともに棒状ラーメンの双璧となっているのが。五木食品の看板商品的な位置づけにある「アベックラーメン」。
同社の商品ではアルミ容器に入った鍋焼きうどんが全国的には有名で、多くのスーパーやドラッグストアの店頭に並んでいるのを見かけます。 また、地元熊本ではソフト麺の「ナポリ風スパゲティ」がソウルフード扱いされており、ジャンキーな味わいが熊本県民の胃袋を掴んでいます。 (https://j-town.net/2020/01/19300272.html)
また、「熊本もっこすラーメン」(1食入り)と「火の国熊本とんこつラーメン」(2食入り)は、熊本ラーメンのインスタント商品として地元では少し別格の扱いを受けているようです。
熊本出身の友人や知人に「オススメの熊本ラーメンは?」と質問すると、結構多く返ってくる答えが今回レビューする「熊本もっこすラーメン」で、オススメのお店を訊いているのに商品名で返ってくることもありました。
博多でいう「うまかっちゃん」や「焼豚ラーメン」 (こちら) と同じ扱いなのかもしれませんね。
「熊本もっこすラーメン」や「火の国熊本とんこつラーメン」は、熊本だけではなく全国のスーパーなどで普通に売られており、「熊本もっこすラーメン」に至っては、100円ショップでも見かけることがある手に入りやすい商品です。
「熊本もっこすラーメン」の内容物を確認
「熊本もっこすラーメン」には、他の棒状ラーメン商品と同様に麺とスープのみで、カップ麺のような具は入っていません。
麺はストレートの棒状のものが束ねられずに入っており、ちょっと細いパスタのような雰囲気があります。
筆者は本来なら「かけラーメン」で一向に構わないのですが、レビューするのに見映えが良くないので、今回は「具材セット」や「きくらげ」、そして「きざみねぎ」を用意しました。
「熊本もっこすラーメン」が100円程度で買えてしまう商品なのに対し、3つの具がいずれもラーメン本体より高額。
全部組み合わせるとなかなか高級なラーメンになってしまいます。
甘い豚骨スープとほろ苦で香ばしい黒マー油のハーモニー
鍋で沸騰したお湯に麺を入れて2分半ゆでます。
その後に火を止め、スープを入れて混ぜ合わせ、器に移して完成。
熊本ラーメンと言えば、乳白色の豚骨スープの表面に真っ黒な黒マー油(焦がしニンニクの油)を浮かせたものがおなじみですが、今回のスープは真っ黒というわけではなく、最初から豚骨スープと黒マー油が混ざり合っていて、色味は褐色です。
用意した具を盛り付けました。
総額500円弱程度でお高めですが、なかなか豪勢ではないでしょうか。
きくらげとネギは使い切っていないので、次回以降にも使えます。
こう見ると、黒マー油が豚骨スープと混ざって豚骨醤油スープのような色味で、雰囲気的には熊本ラーメンよりも和歌山ラーメンに近いように見えます。
しかし、見た目は地味でも、味は完全に熊本ラーメンのマー油豚骨。
クセがなく、ほのかに甘い豚骨スープと、派手さはないものの焦がしニンニクの苦味や香ばしさがじわじわやってくる黒マー油がしっかり調和していました。
スープにはとろみがあり、これは麺をゆでたお湯をそのままスープに使用するためだと思われます。
ゆでたお湯を使うとスープの味が多少ボケてしまうため、クリアな味を求めるならゆでたお湯とは別にスープを作る用のお湯を用意するべき。
ただ「熊本もっこすラーメン」の場合、このとろみがスープの濃厚感を高めているようにも感じられました。
棒状ラーメンのノンフライ麺は本当おいしい!
麺はストレートのノンフライ麺。
少し粉っぽさがある上にストレートで細めなので、実際の豚骨ラーメンで使われる麺と共通部分が多いです。
棒状ラーメンが九州で生まれて広く出回るようになったのは、実際の豚骨ラーメンの麺と近いことが要因のひとつだと思われます。
筆者はその昔、初めて食べた「マルタイラーメン」の麺がインスタントとはとても思えない、まるで本物の豚骨ラーメンの麺だと感じ、衝撃を受けた記憶があります。
今回の麺は、有名な「マルタイラーメン」や「アベックラーメン」よりもひとまわり太く、パッケージには「中太麺」と書かれています。
実際には、多くの熊本ラーメンの麺と同じ中細程度の太さに見えます。
老舗の味のような雰囲気が良い!
熊本のメーカーが作る熊本ラーメンの棒状ラーメンは、やや甘めな豚骨スープとほろ苦で香ばしい黒マー油のバランスが抜群で、棒状ラーメンの美味しい麺との組み合わせも良好でした。
豚骨も黒マー油も良い意味でやりすぎておらず、昔ながらの老舗の味のような雰囲気があり、老若男女誰が食べても満足できそうな味です。
これまでにカップ麺でも熊本ラーメンを再現したものがたびたび登場しており、中には今回以上に良くできたスープの商品もありました。
しかし、豚骨ラーメンと親和性の高い棒状ラーメンの麺を含めると、熊本出身の方々がこの商品をオススメするのも納得できるおいしさ。
おそらく全国的に比較的手に入りやすい商品なので、棒状ラーメンで熊本名物を楽しむのはいかがでしょうか。