さすが日本一! 遠く離れた和歌山からも、富士山は見えるらしい→町役場にベストなタイミングを聞いた
山梨と静岡にまたがる日本一高い山・富士山。標高3776メートルの名峰は、東京などからでもその姿を確認できる。
そして、はるか遠く離れた和歌山県からでも――。
2022年2月上旬、あるツイッターアカウントがこの事実を呟いたところ、多くのユーザーから「県民だけど知らんかったわ」「嘘だろ」といった驚きの声が上がった。
では、和歌山から富士山はどのように見えるのか。その姿を捉えた写真がある。
オレンジ色に染まった空の中に黒い頂上が少しだけ顔をのぞかせている。こちらは01年9月に和歌山・那智勝浦町の色川小麦峠(色川富士見峠)で撮影された1枚だ。
富士山からの距離は322.9キロ。町のウェブサイトでは「富士山の見える最遠の地とされています」と紹介されている。
一筋縄ではいかない富士山見物
場所を知ったからには、機会があれば最遠の地から富士山を見てみたい。
Jタウンネット記者は22年2月15日、那智勝浦町・観光企画課観光商工係の担当者に色川富士見峠で富士山見物をするベストタイミングを聞いた。
「色川富士見峠から見物するには、天気がいい空気の澄んだ早朝が良いです。その場所から富士山までの間に雲がでていないのが重要で、空気が澄んでいるからといって必ずしも冬である必要はないです。実際、2001年に撮影された写真は9月のものですからね」(担当者=以下同)
となれば、条件の揃ったタイミングで訪れれば、富士山が見えるはず。しかし、そう簡単に見られるわけではないようだ。担当者はこう続ける。
「色川富士見峠から肉眼で富士山を見た人は聞いたことがないです。2001年9月の写真は望遠機能を使っているか定かではないですが、夜間から撮影のタイミングを待っていたそうです。しかも場所もちゃんと整備されたところではなく、峠の登路から森の中に入っていった場所なんです。
近くまでは車で行けますが、現地には徒歩でないと行けません。準備も必要ですし、運もないと見られませんから、気軽に行ける場所ではないですね」
ただ、那智勝浦町にはほかにも富士山を見られるスポットがある。色川富士見峠で写真が撮影されるまで富士山の見える最遠の地とされていた妙法山だ。
富士山からの距離は322.6キロで、色川富士見峠とあまり変わらない。
しかも、妙法山富士見台という場所まで整備されている。ここなら気軽にいけるのではないか。そう思った記者は担当者に聞いたが、
「以前は気軽に行けたのですが、老朽化で妙法山富士見台は閉鎖されています」
とのこと。
最遠の地からの富士山を見るには、やはり気合いが必要なようだ。