「みんなが傘をさして下校する中、わたしだけがビショビショ。恥ずかしくてトボトボ歩いていると...」(愛知県・30代女性)
行きは晴れてたのに、帰りには土砂降り。そういえば、天気予報では雨が降るって言ってたのに......忘れてた。
そんなうっかりは、いくつになってもあるものだ。大人であれば、場合によっては自分で傘を購入することも、喫茶店で雨宿りをすることもできる。
しかし、子供はそうはいかない。諦めて濡れて帰ることがほとんどではないだろうか。
愛知県在住の読者、Eさん(30代女性)からJタウンネット編集部に寄せられたのは、まさしくそんなエピソードだ。
それは、Eさんがまだ小学生だったころ。学校へ行く支度をしているとき、母から雨が降ることを教えられたのにすっかり忘れて、傘を持たずに家を出た。
そして天気予報の通り、下校時には大雨が。仕方なくぐっしょりと濡れながら家路を歩いていたEさん。そんな彼女に、1台の赤い車が近づいてきた。
みんなが傘をさして下校する中...
わたしはADHDで、よく忘れ物をしてしまいます。
小学生のとき、登校するための準備をしていたところ、
「帰りは雨が降るから傘持っていきなさいよ!」
と母に声をかけられたのですが、家を出るころにはそんなことはすっかり忘れてしまっていました。
母は先に仕事へ出かけていたので、教えてくれる人もいません。
そんなわけで、その日の帰りはみんなが傘をさして下校する中、私だけぐっしょり雨に濡れながら下校したのです。
いつものT字路で友達を別れ、びしょびしょになりながらトボトボと歩いていたときです。
急に、私の真横に赤の軽自動車が停まりました。
「え?なに?」
不審に思っていると、サッと運転席のドアが開きました。
「返さなくていいから!」
乗っていたのは20代ぐらいのお姉さんでした。
「これ!返さなくていいから使いなさい!」
彼女はそう言って私に傘を押しつけると、急いでいたのか、断る暇もお礼を言う暇もなく去って行ってしまいました。
大雨の中をトボトボ歩く私を不憫に思ったのでしょう。
正直に言えば、びしょ濡れで歩いているのがとても恥ずかしかったので、嬉しかったし助かりました。
本当にありがたかったです。
あのときお姉さんにお礼を言えなかった代わりに、今では私も誰か困っている人にあげるために、使い捨てのカッパをいつも車に積んでいます。
今までに、二人の中学生に渡すことができました。
車で近づくので、やはり最初はものすごく不審がられます。
ですが、私がお姉さんから貰った親切を、今度はこの子が受け継いでくれないかな?と期待しつつ、今後もカッパを渡し続けたいと思います。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
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