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結晶をスケッチし続け20年 江戸時代、「雪」に超どハマリしたお殿様がいた

中沢 新

中沢 新

2022.01.07 08:00
「江戸時代、雪の結晶にハマったお殿様がいました」

2021年12月19日、ツイッターユーザーの笹井さゆり(@chiyochiyo_syr)さんによって投稿されたイラスト付きのツイートが注目を集めた。

描かれているのは、江戸時代末に活躍した下総国古河(現・茨城県古河市)の藩主・土井利位(どいとしつら1789~1848)。

古河市観光協会や市のウェブサイトによると、彼は職務の傍ら、20年にわたって雪の結晶を観察し、その成果である86種の結晶スケッチを収録した「雪華図説」(1832年)を刊行。筋金入りの雪マニアだ。

同書は日本最初の雪の自然科学書として高い評価を得ており、彼は「雪の殿さま」と呼ばれて親しまれているようだ。

画像は笹井さゆり(@chiyochiyo_syr)さんのツイートより
画像は笹井さゆり(@chiyochiyo_syr)さんのツイートより

雪の降る寒い日に、雪の結晶を観察すべく勇んで筆を握るお殿様。冷やしておいた黒い布で雪片を受け止め、その後黒い漆器にのせて顕微鏡で観察。それを詳細に描いていったというのだから、驚きだ。

手前の家臣の一人は表情にこそ出さないものの、鼻水が出ており、過酷な状況であることが伺い知れる。

「こういう数奇な人達のお陰で文化が花開く」

雪の結晶に魅了され、スケッチ集まで刊行してしまったお殿様。このスケッチは図案として民間に広まり、絵画や工芸品、着物などへと取り入れられていったそうだ。

このエピソードを描いたツイートにはこんな反応が寄せられている。

「やっぱり昔から好き者っていたんだなあ」
「まず江戸時代に雪の結晶を見られる技術があったことが凄いと思う...」
「いつの時代でも、沼にはまるオタクはいる」
「雪の結晶模様って、西洋からのものかと思ってました 江戸時代から流行ってたのですね、すごいお殿様」
「こういう数奇な人達のお陰で文化が花開く」

Jタウンネット記者が投稿した笹井さゆりさんに27日、今回のイラストを描いたきっかけを聞いたところ、

「こんなに面白いお殿様がいたんだ!という驚きがありました。雪の結晶というと西洋的なモチーフのイメージがあったのですが、江戸時代からこれだけ仔細な観察とスケッチが行われていたことに感動してしまって...これは冬に描くのがふさわしいイラストだと思い、夏頃からずっとあたためていました」

と、語る。海野弘「日本の装飾と文様」(パイインターナショナル)や中谷宇吉郎「『雪華図説』の研究」(青空文庫)、古河市の公式サイトなどを参考に話題のイラストを作成したという。

今回投稿がSNSで話題になったことについて、「自分と同じように驚いてくださる方が多く、描いて良かったと思いました」として、

「中でも嬉しかったのは、このお殿様、土井利位のゆかりの地域、茨城県古河市の方からのお声をたくさんいただいたことです。古河市では町の風景のあちこちに雪の結晶のモチーフが使われているそうです。素敵ですよね。一度訪れてみたくなりました!」

と、土井利位のゆかりの古河市に思いを馳せていた。

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