どうしてこうなった 奇怪すぎる「象が連結した滑り台」の謎を追う
おしゃれな店が多く立ち並び、大人な雰囲気を醸し出す新宿・神楽坂。そこに一風変わった公園が存在していることをご存知だろうか。
その公園が、こちら。
地下鉄東西線・神楽坂駅から100メートルほど北に入った住宅街の中にある「あかぎ児童遊園」。
ここには、2頭の象の鼻が連結したインパクトの強い滑り台があるのだ。
Jタウンネット記者が訪れた2021年12月24日の14時ごろには小学生くらいの子どもたちが元気に滑り台を使って遊んでいた。子どもたちに愛されているようだが、埼玉・白岡で長らく生活している筆者としてはこの変わったデザインの滑り台でごく普通に遊んでいる子どもたちに違和感すら覚えてしまう。
なぜ、こんなデザインになったのか。12月24日、新宿区のみどり土木部みどり公園課の担当者に話を聞いた。
2頭連結の理由は「対になるように」
担当者によると、あかぎ児童遊園は1969年11月に開園。この当時はまだ象の滑り台はなく、公園も滑り台の出口がある低い部分の土地しかなかったという。
「平成4~5(1992~93)年あたりに、滑り台の入り口部分にあたる高い部分の土地を買収して公園が広くなりました。このときに土地の高低差を利用した滑り台が作られました」(担当者=以下同)
こうして滑り台が作られることになった。デザインについては、
「当時、設計や施工を担当していた者と区の担当者が話し合い、子どもに親しまれるように象のデザインを採用しました」
とのこと。
では、なぜ象が2頭もいるのか。
「2頭つながっているのは、オスとメスが対になるようにとの意図があったようです」
改めて、あかぎ児童遊園で撮影した写真を見ると、上段の象は牙がはっきりとついているが、下段の象には牙がない。 オスは牙があるものの、メスは牙がないか外からはほとんど見えないアジアゾウがモデルであれば、雌雄が並んでいることになる。
あかぎ児童遊園は、住宅地のど真ん中にある決して広くない公園であった。そこで子どもたちがより楽しめるよう、工夫してできた遊具が2頭の象が並んだ変わった滑り台なのもしれない。