「知らない男が目の前で卑猥な言葉を繰り返してくる。恐怖で俯いていると、突然誰かに手を引かれ...」(都道府県・年齢不明女性)
駅で友人を待っていたら、知らない男性から卑猥な言葉をかけられた――。

Jタウンネットの読者・Iさん(仮名、女性)が、高校1年生のときの体験を編集部に送ってくれた。
大きな駅で友人と待ち合わせていると、知らない男性が近づいてきたのだという。
卑猥な言葉を投げつけられ、Iさんは黙ってうつむくしかなかった。
困惑と恐怖――絶望的な状況の中、Iさんの手を引く人がいた。見ず知らずの女子高生3人組である。 いったい何が起こったのか。Iさんの思い出を一緒に振り返っていこう。
「目の前に立ち、真顔で卑猥な言葉を......」
私が高校1年生のときの話です。
当時、電車通学だったのですが、違う路線を使う友人と毎日到着駅で待ち合わせていました。
そこは、私の住む街の駅より大きな駅で、駅ビルもあり、たくさんの人が行き違う賑やかなところでした。
その日は、少し友人を待つ時間がありました。改札を出て、柱のところで友人を待っていると、知らない男性が近づいてきたのです。
「大きな街には変わった風貌の人もいるんだな」と思っていたら、その男性は目の前に立ち、真顔で卑猥な言葉をかけてきました。

男は何度も何度も同じ言葉を繰り返していました。
「怖い」と思いました。ただ、私がその場からいなくなったら友人が探すだろうという思いもあり、動く事もできず、ただ黙ってうつむくしかありませんでした。
「私の手を取り、その場から......」
「どうしよう」と思っていたとき、私の手を引く人がいました。他校の女子高生3人組です。
「おはよう!待たせてごめんね!行こう」
彼女たちはそう言って、私をその場から離してくれました。

その女子高生は、私がまったく知らない子たちでした。異変に気づいて、友達のふりをして助けてくれたのです。
駅を出たところで、彼女たちは何も言わず学校へ向かって行きました。
私は恐怖と恥ずかしさで頭が真っ白で、お礼も言えず、彼女たちの顔さえ見られませんでした。田舎者の私には、同じ女子高生なのにとても大人に見えました。
その時の出来事からもう何十年も経ちました。
その駅も、今は駅ビルに店舗がたくさん入り、ますます大きくなりました。あの時の女子高生は、今もその街に住んでいるのかな。行くたびに思います。
あの時の感謝の気持ちは、『ありがとう』だけでは足らないくらいです。優しい心をもった彼女たちが、幸せに暮らしている事を祈ります。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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