頭も体も心もスッキリ! 福井県で「寺社巡り」してみたら...めちゃくちゃ「ととのった」件

「とにかく、ゆっくり過ごす時間が欲しい」。2021年11月某日、Jタウンネットの編集長である筆者はそんな思いに駆られていた。
この1年、いろいろあって忙しなく、心も体も休まる暇がなかった。
そんな心身を休めるのに、どこか良い場所はないものか――。幸いJタウンネットには全国各地の色んなスポットの情報が山盛り。過去の記事から行きたい場所を探していると......それは案外、すぐに見つかった。
福井県とのタイアップ第5弾で、福井の魅力を写真で発信するtomosakiさんと、福井県出身のお笑いタレント・みっちーさんがオススメしてくれていた「越前大仏」がある清大寺である。
寺、絶対静かで、癒される。
というわけで、筆者は新幹線に飛び乗り、福井県に向かったのであった。
福井の歴史に思いを巡らせつつ、リラックス
1日目
11:59 福井駅到着
東海道新幹線から特急しらさぎに乗り換え、福井駅に到着。せっかくここまで来たのだから、清大寺だけ見て帰るのはもったいない。筆者は1泊2日の「福井神社仏閣めぐり」を決行することにした。
いろんなところを急いで見て回るより、じっくり見ていきたい。今回は5か所の神社仏閣を訪れる。まず向かったのは、福井市内の寺・神社。「大安禅寺」がトップバッターだ。
13:00 敷地内の「千畳敷」には歴代福井藩主が眠る

1658年、福井藩主松平家の永代菩提所として建立された大安禅寺。境内から300メートルほど登った山中には歴代藩主の廟所(墓所)・通称「千畳敷」がある。

福井産の名石「笏谷石(しゃくだにいし)」の石板が1360枚敷き詰められている。大名墓としては日本一と称されるほどの広さだ。その中には高さ3.7メートルの墓石が10基――圧巻の迫力である。

13:30 大安禅寺(だいあんぜんじ)の中へ
大安禅寺は、08年に本堂など5棟が国の重要文化財に指定されている。それらは18年11月から約12年間にわたる「令和の大修理」の真っ最中。そのため拝観できる場所は制限されているが、「今しか見られない」ものもある。

本堂の修理工事の様子を見学できるスペースが設けられているのだ。間近で職人の技術を垣間見ることができる「今だけ」のレアスポットだ。
その他、見学できるのは座禅修練道場「枯木堂」や、同寺を築いた松平光通を祀る「開基堂」、初代住職である大愚禅師を祀る「開山堂」など。

大安禅寺は禅を身近に感じられる取り組みとして、職員に案内してもらえる「おもしろ拝観コース」、副住職の法話を聞ける「生き生き法話コース」、坐禅や写経の体験ができる「坐禅コース」「写経コース」、精進料理を食べられる「精進料理拝観コース」といった拝観・体験のプランを用意している(いずれも要予約)。
筆者は「おもしろ拝観コース」を体験。まず、「枯木堂」で寺の歴史について教えてもらい、それから少しだけ坐禅体験。なんと仏像の真上からスクリーンが降りてきて、住職が動画で登場した。

「坐禅」というと難しそうなイメージがあるかもしれない。しかし、スクリーン上の住職がやり方をわかりやすく教えてくれるので、初心者でも戸惑うことはない。
姿勢を正して、おりんの音にあわせながらゆっくりと呼吸。住職に言われる通り「ひとつ」「ふたつ」と声に出さずに数えていると、いろんなことが思い浮かんで、そして消えていく。坐禅を終えて再び立ち上がった時には、頭がすっきり。目も耳もリフレッシュしたように感じた。
また、動画には思わずクスッとしてしまう演出もある。どんなものなのかは、ぜひ拝観の際に確かめてみてほしい。

これは......可愛すぎるッ!
15:00 足羽山のパワースポット<1>足羽神社(あすわじんじゃ)
「千畳敷」に使われていた笏谷石は福井市にある「足羽山」から採掘されていた。その足羽山には、パワースポットとして知られる神社が複数ある。福井駅周辺に舞い戻り、足羽山を散策しよう。

まずは山の中腹に鎮座し、子授け・安産などにご利益があると言われる「足羽神社」。ここにはちょっと珍しい狛犬たちがいるのだ。

そう、子連れなのである!
この親子たち、めちゃくちゃ可愛くないだろうか。
神殿前の狛犬は甘えんぼの子犬が親に抱き着いているようだし、正面参道の狛犬は今にも参拝者に向かって走り出しそう(そしてそれを親に押さえられている)だ......!

足羽神社には樹齢約420年のタカオモミジや樹齢約370年のシダレザクラ(ともに福井市指定の天然記念物)もある。春と秋、それぞれの見ごろの季節に訪れて、迫力満点の木々と愛らしい狛犬たちに癒されるのもいいだろう。

黒龍のパワーを貰って明日に備えよ!
15:45足羽山のパワースポット<2>毛谷黒龍神社(けやくろたつじんじゃ)
足羽山の麓にある毛谷黒龍神社は、九頭竜川(かつては黒龍川と呼ばれた)の守護神として創建された。地元民には「くろたつさん」と呼ばれ親しまれているという。

境内には複数のパワースポットがある。その中でも「これを見るために遠くから参拝に来た」という人もいるというのが、拝殿の中にある「龍の絵」だ。
写真に撮って玄関に飾ると厄除けになり、ケータイやスマホの待ち受けにすれば運気が上がる――そんな噂が囁かれる絵が、こちら。

玉を持った黒いウロコの龍である。間近で見ると、ところどころがキラキラと光っていて、不思議な迫力があった。
拝殿には社務所や神楽殿授与所などに声をかければ入っても構わないので、みなさんもぜひ、輝く黒龍を自分の目で見て、写真を撮って帰ってほしい。

16:30 1日目の散策終了
さて、日も暮れてきたので1日目の散策は終了。ゆっくりゆったり、それぞれのお寺や神社の良さを満喫するのも良いものだ。
ずっとここにいたい...
2日目
08:30 苔かおる「白山平泉寺」(はくさんへいせんじ)

朝、いつもより早起きして向かったのは勝山市だ。目指すのは越前大仏がある「清大寺」......の前に、もうちょっとだけ足を延ばして「国史跡白山平泉寺旧境内」。
福井駅から車で1時間弱、公共交通機関だとえちぜん鉄道で勝山駅まで行き、そこからは勝山市のコミュニティバス(平泉寺方面)に乗る。バスは本数に限りがあるので、事前に時刻表を要チェックだ。
その見どころは、拝殿の前にまるで絨毯のように広がる美しい「苔(こけ)」である。

この場所は、環境省が01年に選定した「かおり風景100選」のひとつ。息を吸い込むと、しっとりと水気を含んだ、爽やかな香りがする。土と、スギと、コケのにおいだ。いつまでもここで深呼吸していたい――そんな気持ちになるほど、心地が良い。
雨の名残でみずみずしいコケと、そこに差し込む眩しい朝日。その両方が見られたのは、ラッキーだったかもしれない。


あの巨大大仏に刮目せよ!
11:45 ついに「越前大仏」を見に行くぞ!
さて、いよいよ越前大仏のある「清大寺」だ。白山平泉寺からは車・バスで10分弱。バスは先ほどのコミュニティバスで勝山駅行きに乗る。やはり本数に限りがあるのでご注意を。

この寺の特徴は、とにかくスケールが大きいことだ。門をくぐると視界が「バーン!」と開けていて、その向こうに圧倒的なスケールの大仏殿がある。
遥か遠くに見える入口に何とかたどり着き、中に入ると待っているのは......

奈良の大仏よりも2メートルも大きいという大仏(約17メートル)と、4体の脇仏、数えきれないほどの小仏だ。小仏といっても大きさは1メートルあまり。パンフレットによると1281体もあるそう。

建物の中ではBGMとして歌うような読経の声が鳴り響いていて、置かれたベンチに座って目を閉じれば、頭の中を空っぽにできた。


壮大なのは大仏殿だけではない。京都の東寺のものよりも20メートルも高い五重塔(75メートル)から一望する勝山の景色、見たことないほど巨大な仁王像と狛犬。石仏がズラリと並ぶ回廊や駐車場――あまりのスケール感に、海外にいるかのような気分になった。
福井に来る前に思い浮かべていた「静かな寺」とはイメージが違ったが、これはこれで、めちゃくちゃリフレッシュできるぞ......!

最後は「恐竜と一緒に温泉」で体もととのう~!
13:40 帰る前に「えち鉄カフェ」でひとやすみ
曹洞宗の大本山永平寺に日本三大木造鳥居がある氣比神宮、美しい日本庭園をもつ瀧谷寺、「誰にも言わずにひとつだけ願い事をすれば叶う」と言われる泉岡一言神社......福井にはまだまだ魅力的な神社仏閣があるのだが、編集長である筆者はそろそろ仕事に戻らねばならない。
それらの寺社は次の機会に巡るとして、今回の「一泊二日福井神社仏閣めぐり」はこのあたりで切り上げることにしよう。

勝山駅に戻り、駅舎内の「えち鉄カフェ」でとりあえず一服。登録無形文化財にも登録されている大正時代の建物の窓の向こうにいる恐竜と、目があって仕方がない(注:勝山市は恐竜化石の一大産地なのだ!)。
えちぜん鉄道の車両のカラー・青と黄色にちなんだ「えちてつソーダ」を飲みながら、歩き疲れた足をぶらぶらさせていると、筆者の目にある情報が飛び込んできた。
「勝山天然温泉 水芭蕉」 勝山駅からコミュニティバスで約20分
――行くっきゃない。
大安禅師の坐禅体験で落ち着き、足羽神社の狛犬たちに癒され、毛谷黒龍神社でパワーをもらい、白山平泉寺の苔の香りで心をリフレッシュし、清大寺のスケールの大きさに小さな悩みは吹き飛んだ。そう、心は完全に整っている。ただ......久々に動き回った筆者の体は、クタクタだ!
というわけでこの旅は、温泉で締めくくることにした。
14:45 天然温泉「水芭蕉」で体もととのう

「HOT SPRING WITH DINOSAUR」
そんなキャッチフレーズが書かれた入口。自動ドアにも恐竜化石のペイントがされていたし、館内の床には恐竜の足跡のような模様がところどころに描かれていた。
そして、大浴場の中にも......

まさに「恐竜と一緒に温泉」。楽しい気分でお湯につかれば、いつもより体がほぐれそうだ。この温泉の気持ちよさは――みんな福井に来て、体感すべし!


あなたはこの記事を読んで福井県に
<企画編集・Jタウンネット>
