「祖母のもとへ行けるなら...」旅先で死を考えていた19歳 彼女をこの世に繋ぎとめた「地元民の温かさ」
「お腹が減っていると悪いことばかり考えるものだから...」
しばらく話しているうちにあたりが暗くなり、おばあさんが帰るとき、私は彼女と抱き合い「頑張ってみるね」と約束しました。
とはいえ、手持ちの現金はほぼ底を尽き、北海道へ帰る旅費も残っていません。青森のどこかで仕事を見つけなければと思いつつ、その晩はまた車中泊しました。
翌朝、目を覚ますと、車のサイドミラーに買い物袋がぶら下がっているのに気が付きました。
なんだろうと思い開けてみると、そこにはおにぎりが3つとみかんが2つ、茶色い封筒に現金5万円と手紙が入っていたのです。
手紙には、こう書いてありました。
「このお金で北海道に帰りなさい。命を落とそうと思わないこと。あなたはきっと強い子だから、どんなことも乗り越えられる力がある。自分の知ってる街で頑張りなさい。
お腹が減っていると悪いことばかり考えるものだからおにぎりたべなさいね」
名前も住所も書いてありません。急いであたりを探しても見つかりません。
絶対に昨日のおばあさんだと確信しているのに、どこにも見当たらず探す術もないのです。 たくさん泣きました。自分の祖母に言われたような気がしていました。
感謝の気持ちとあのおばあさんにもう一度会いたい気持ち、自分の祖母と重なるおばあさんに対しての気持ちでぐちゃぐちゃでした。