リアルすぎて脳が混乱する... 食品サンプルづくりの技術を駆使した「ジグソーパズル」のアジがすごい!
レストランやカフェのショーウインドウに並ぶだけでなく、最近ではアクセサリーや雑貨としても人気の食品サンプル。食べられないことが不思議なほどに本物そっくりなサンプルを見ると、職人の技術に感嘆せざるを得ない。
そんな職人たちが磨き上げてきた技術に、遊び心を加えた結果がツイッターで注目を集めている。
まな板の上に乗っている魚と、黒い皿の上に盛られた魚の開きだ。
ウロコや焦げ目などはリアルに再現されている。しかし、そのどちらにも奇妙な形の切れ込みが。ただの食品サンプルではなく、ジグソーパズルのような構造になっているようだ。本体から切り離されている身の部分も、ちゃんとピースになっている。
この一風変わったサンプルに、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「リアリティーハンパないですね!」
「なかなかアジがあって良いパズルだと思います」
「純粋に欲しい(笑)」
Jタウンネット記者は2021年11月16日、この「アジのパズル」について、食品サンプルメーカー・岩崎(東京都大田区)に詳しい話を聞いた。
技術の伝承と披露のために
取材に応じたのは、同社広報担当の黒川友太さん。注目を集めた「アジのパズル」は、「ア・ジグソーパズル」という作品だという。
残念ながら制作者はすでに岩崎を退社しており、作品の発想のきっかけや具体的な制作手順については「わからない」。
ただ、同作品は21年7月~8月に同社で開催された「2021年食品サンプル製作社内コンクール」に出品されたもの。コンクール特設サイトの作者コメント欄では、
「食品サンプルでなにかゲーム的要素を表現したいと思い製作しました。未完成のパズルを見て、思わず完成させたくなってもらえたら嬉しいです」
と、製作に至った背景が述べられている。
黒川さんによると、「食品サンプル製作社内コンクール」は1968年から現在まで毎年(2020年はコロナ禍の影響で不開催)実施されている、食材・食品をモチーフとしたサンプル作品を発表、展示するイベントだ。
食品サンプル製作に携わる同社の社員および準社員が参加し、毎年与えられたテーマに基づいて製作を行う。21年は「人を笑顔に」だった。出品されたサンプルは製作スタッフ以外の社員によって審査され、「ア・ジグソーパズル」は第3位。また、ウェブ上で行われた社外一般投票審査では6位に輝いている(出品作品は全部で約60点)。
コンクール開催の目的について、黒川さんは、
「社員のモチベーションアップと技術の伝承のためです。さらに、製作者各々が持っている技術を見せる場でもあります」
と説明する。
現在、コンクールに出品された作品の展示などは行っておらず、一般の人が見ることはできないとのこと。ただ、他にもユニークで独創的な作品たちが目白押しなので、気になる人はコンクール特設サイトをチェックしてみてほしい。