今まで味わってきたのと全然違う...! 佐久穂町の「紫稀」を食べたら、プルーンの概念が変わった件
「プルーン」と聞いて読者が思い浮かべるのは、どんなものだろう。
シワシワになったドライフルーツか、中井貴一さんのテレビCMを思い出す人も多いかもしれない。
そんなプルーンのイメージが、変わった――。
2021年10月6日、筆者は新宿のタカノフルーツパーラーで開催されたイベント「旅するフルーツ(旅フル)」に参加。この企画は、新宿高野が21年5月から行っている、様々なフルーツについて、まるで産地を訪れたかのような体験を新宿に居ながらにして味わえるもの。
そこで長野県佐久穂町産のプルーン「プレミアムオータムキュート『紫稀(しき)』」を食べたら、驚きの体験が待っていたので、皆さんにイベント様子をお伝えしたい。
雨にあたると割れてしまう「紫稀」
「紫稀」とは、長野県のオリジナル品種「オータムキュート」の中でも厳しい品質基準をクリアした果実だけに冠されるブランド名。県東部にある佐久穂町の中でも限られた生産者が育てている。
イベントには佐久穂町の佐々木勝町長さんと佐久穂町役場産業振興課・農政係の浅井弘幸さんが登壇し、その魅力を解説した。
「紫稀」は糖度20以上、果実の大きさは90グラム前後と大玉。甘くてジューシーな味わいが特徴だという。
「雨に当たると割れてしまったり、味が安定しなくなることから、雨除けハウスを使用しハウス内で丁寧に栽培されている」
と佐々木町長。
話を聞きながら、「紫稀」のジュースを試飲。果肉たっぷりで、さっぱりとした酸味の中にプルーンの凝縮した甘みを感じた。
サンドイッチには、「紫稀」が皮ごとサンドされており、ホイップクリームの甘みと相性が大変良い。
そしてフレッシュプルーン4種の食べ比べ。左からプレジデント、サンプルーン(中央上)、ベイラー(中央下)、オータムキュート「紫稀」。
プレジデントは少し酸味があり、甘みとのバランスが良く食べやすい。サンプルーンとベイラーは甘みが強く、さっぱりとしている。
オータムキュートは、プレジデントの酸味とベイラーの甘さを掛け合わせた品種。「紫稀」は、とてもジューシーで甘く、ほのかな酸味とのバランスが良い。記者が普段口にしているプルーンとは別物と思うほど、ハイクオリティな味わいだった。
息をのむおいしさの「紫稀」スイーツの数々
「旅フル」ではさらに、「紫稀」を使ったスイーツが続々と提供された。
盛り合わせの中の1品、寒天デザートは大きくカットされた「紫稀」がごろんと入っていて、寒天の食感が新鮮な一品。プルーン本来の素材を引き出すためにあえて寒天を使用したとのこと。
「紫稀」に焼き菓子とクリームを重ね、アクセントにアーモンドを添えたスイーツは、その美味しさに息をのむほどだった。
最後の一皿は「紫稀」のパフェ。
「紫稀」のジャムにシャーベット、そしてカットフルーツがふんだんに使用された、「紫稀」の美味しさを余すことなく感じることができる逸品。
イベントでの説明によると、「紫稀」でジャムを作ると綺麗な赤色に仕上がるという。ソフトクリームの中にあって、味のアクセントにもなっていた。
切り方ひとつでこんなに変わる!
「紫稀」の色んな食べ方を体験した後は、タカノフルーツパーラーが誇る果物の専門家・フルーツクチュリエの森山登美男さんによるカッティングのレクチャー。
プルーンの「切り方」なんてそんなに種類があるものなのか、と思いきや......。
森山さんが操るナイフで、果実が様々な形に変身。切り方ひとつで、全く違う印象になった!
「紫稀」は一つ一つが大きいので、初心者でも色んなカットを実践できそうなのがうれしい。
佐久穂町の話を聞きながら、思う存分「紫稀」を味わった記者。プルーンに持っていたイメージは完全に塗り替えられた。
こんなにいろんな食べ方ができる、魅力あふれるフルーツだったとは――!
フレッシュな驚きを味わいたい人は、ぜひ佐久穂町産の「紫稀」を手に取ってみてほしい。