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「やりやがったな!」「これは戦争不可避」 セブンに並んだ2種類の「いも煮つゆ」に山形民憤慨

福田 週人

福田 週人

2021.10.28 20:00
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「一緒に並べんじゃねぇぇえええ!!!!」

山形県在住のツイッターユーザーが、そんな怒りの声と共に投稿した画像が物議を醸している。

「醤油」と「みそ」が並んでいる(画像はとりぷる@Tri_pleさんのツイッターより)
「醤油」と「みそ」が並んでいる(画像はとりぷる@Tri_pleさんのツイッターより)

こちらは、山形県米沢市でVtuberとして動画投稿を中心に活動している「とりぷる」(@Tri_ple)さんが、2021年10月25日に投稿した写真だ。

映っているのは、「山形風いも煮つゆ」という商品。「醤油仕立て」と「みそ仕立て」の二種類が並んで売られている。

芋煮とは、サトイモと肉・野菜などを一緒に煮込んだ山形県の郷土料理。県民にとってのソウルフードといったところだが、その味付けや使う肉の種類には、地域によって違いがある。

山形県農村計画課が発行する雑誌「norari」2013年秋号によると、内陸部南部の置賜地方・中央部の村山地方ではしょうゆ味で牛肉、日本海沿岸の庄内地方ではみそ味で豚肉が一般的。村山地方と庄内地方に挟まれた最上地方では、しょうゆ味とみそ味が混在しているという。

しょうゆ派か、みそ派か──SNS上はそんな論争で賑わうことも。とりぷるさんのツイートにも、28日夕時点で1万2000件以上のいいね、8000件以上のリツイートが集まり、二種類の芋煮が隣同士に並べられていることに対し、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。

「醤油だろーがァァァァ(内陸勢」
「庄内風を山形風っていうなし」
「芋煮といえば味噌ベースに豚肉が普通じゃない?違うの?」
「北寄りの山形芋煮と南寄りの山形芋煮か・・・」
「これは戦争不可避」

Jタウンネット記者は28日、話題のツイートについて投稿者に話を聞いた。

「〆はカレーうどん」が最高

とりぷるさんが二種類の「いも煮つゆ」が並んでいるのを見つけたのは、25日のお昼頃。米沢市内のセブンイレブンでの買い物中だった。

「東北の郷土料理の代表格である芋煮ですが、一口に芋煮と言っても『醬油か?味噌か?牛肉か?豚肉か?』、といった争いが日々絶えません」

と語るとりぷるさん。そんな、天敵同士ともいえる醤油味とみそ味が一緒に並んでいるという光景に、「セブンイレブン、やりやがったな!」と思ったそうだ。

しょうゆベースの芋煮(画像はイメージ)
しょうゆベースの芋煮(画像はイメージ)

ちなみに、置賜地方に位置する米沢市在住のとりぷるさんは、もちろん醤油派。改めてその魅力について聞いてみた。

「醤油ベースで煮込まれたホクホク熱々の里芋と牛肉がたまりません!
そして〆は食材の旨みがギュッと濃縮された汁で作るカレーうどん! 『えっ、カレーうどん?』と思われるかもしれませんが、『芋煮の〆はカレーうどん』ってくらい近年の定番メニューとなっています」(とりぷるさん)

里芋と牛肉を煮込んでいた醤油味の汁でいただくカレーうどん......聞いているだけで美味しそう。どんな味がするのか気になるところだ。

芋煮カレーうどん(Wikipedia commonsよりMand.jpさん作成)
芋煮カレーうどん(Wikipedia commonsよりMand.jpさん作成

では、反対に味噌味の芋煮についてはどう思っているのだろうか。記者が聞いてみると、実はとりぷるさんは人生で一度も味噌味を口にしたことがないという。

「味噌味の芋煮には豚肉が使用されているわけですが、あれは豚汁と何が違うのでしょうか? 具材の違いなのかな...」(とりぷるさん)

醤油派のとりぷるさんにとっては、そもそも「味噌味の芋煮」という料理自体にあまりピンとこないようだ。

「『どちらも美味しいんだから認め合いなよ』という声もありますが、我々は醤油の芋煮を食べて育ちました。米沢の芋煮といえば醤油と牛肉以外有り得ません!」(とりぷるさん)

やはり醤油派と味噌派の間には、高い壁が築かれているらしい。今後、もし山形県民の人と芋煮を食べに行く機会があったら、必ず事前に好みの味付けを聞いておこうと思った記者だった。

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