まさか、ケンカ売ってる...? 神戸市が明石駅に出した広告に反響→担当課に「真意」を聞いた
JR明石駅に貼られた一枚のポスターが、いま話題となっている。それがこのポスターだ。
明石駅で乗り降りしている明石市民に対して、「喧嘩売りすぎてる」ととられかねない挑戦的なコピーではないか。どうやら広告主は、神戸市のようだ。
ツイッターにはこんな声が寄せられている。
「明石ええとこやん(笑) ってか明石自体個性的やし、全国的に知名度もあるんやから、わざわざ神戸のほうって言わんでええよね」
「明石市や西宮市などへ、納税世代の流出が止まらなくなって、神戸市はかなり焦ってるのです」
「神戸の焦りを感じる」
「神戸は実力で勝負せよ!」
売られた喧嘩、買おうやないか、という明石市民の反発もチラホラ......。
いったいこの挑戦的なポスターはなぜ生まれたのだろう? Jタウンネット記者は、広告主の神戸市に取材した。
21駅に、21通りのキャッチコピー!
取材に応じたのは、神戸市建築住宅局政策課の担当者だった。まず、このポスターの狙い・企画意図について聞いてみた。
「市内定住の促進をはかる、神戸市の人口減少対策『若年・子育て世帯向け住み替え補助金』の広報です。鮮やかな写真のポスターが掲出されるなかで、埋もれないように、あえて白地にコピーのみというデザインで掲出しました。
コピーの内容についても、興味を持って読んでいただけるように、住み替えを検討している人が、神戸市の補助金のことを知って揺れ動いている心の葛藤をユーモラスに描いたものです」(神戸市建築住宅局政策課担当者)
ポスターの下の方には、「神戸市 子育て支援住み替え補助金 最大40万円」と記されており、QRコードが配されている。補助金の制度を知った人の視点から、「神戸に住んだ方がええな」とつぶやいた、という設定になっているようだ。たしかに今どき、「40万円」の補助金は大きいか......。
ところで、このポスターには他のコピーもあるのだろうか? と聞くと、もちろん! と一覧表を見せてくれた。
「多くの方に制度を知ってもらえるよう、職員であれこれ考え、企画しました」と、神戸市建築住宅局政策課担当者は胸を張る。尼崎市、西宮市、芦屋市、明石市、加古川市、高砂市、姫路市など、JR、阪神電車、山陽電鉄などの21駅に、21案のポスターが掲出されているそうだ。
ツイッターなどで話題になっていることに対して、神戸市建築住宅局政策課担当者はこうコメントした。
「SNSなどで話題になり、多くの若い方々に知ってもらえたことはうれしいことである反面、我々の発信したいメッセージとは違った文脈で拡散され、気を悪くされている方もいらっしゃることから、その点については非常に申し訳ないと思っています。いずれにしても、予想を超える反響に驚いています」(神戸市建築住宅局政策課担当者)
しかし、テレワークが続くようだったら、補助金もらって、神戸に引っ越すのも悪くないな......、そう思った読者は多いかもしれない(筆者も同じです)。