「本当に通れません」 過去の不届き者の存在を感じてしまう看板が話題→設置者に経緯を聞いた
工事現場や事故現場の近くには、一般車両や通行人が入らないように立ち入り禁止の看板が立てられる。「この先通行止め」や「危険!」など文言は様々だが、いずれも「入ってはいけない」という警告だ。
その中でも、長野県のある林道に立てられている看板の「本気度がすごい」とツイッターで話題になっている。
それが、こちらだ。
両側を木々に囲まれた道路。道を遮るように柵が設置されており、その手前には、
「本当に通れません」
と書かれた立て看板がある。立ち入り禁止を意味するもののようだが、「本当に」という言葉がつくことで、なんだかさらに真剣さが伝わってくるようだ。
こちらの写真に対し、ツイッター上では、
「わ、わかったと納得してしまう」
「行った先に『通れないって言ったよね?』の看板ないかな」
「マジのマジってやつだね」
「過去に、通っちゃうヤツが後を絶たなかったんだろうなぁ」
といった声が寄せられている。
写真は、長野県在住のツイッターユーザーのやっしー(@uO2J7BE6O0zR3ng)さんが21年9月13日に投稿したもの。Jタウンネット記者は投稿者本人と、看板を設置した建設会社に取材した。
「現場の危険性を知ってもらいたい」
やっしーさんが立て看板の写真を撮影したのは13日、場所は長野県中川村の陣馬形山だ。
「陣馬形山へのドライブの帰り道で発見しました。インパクトがとても強い看板だという印象を持ちました」(やっしーさん)
その先に何があるのか興味をひかれたが、やっしーさんは看板に従い、通行できる道を通って帰ったそうだ。
17日、記者の取材に応じた立て看板を設置した地元の建設会社の作業員によると、設置したのは2週間ほど前のこと。
「20年6月の豪雨災害の影響で、この看板の先の道路が崩落してしまっているんです。現在、私たちは別の建設会社の下請けとして道路工事を行っている最中です」
と話した。なるほど、それではたしかに通ろうにも通れないだろう。
それにしても、なぜこのようなインパクトのある文章を看板に書いたのだろうか。改めて聞いてみると、
「この立て看板の他にも、いくつか立ち入り禁止を伝えるためのものや、その理由を書いた看板を立てていたんです。
ただ、過去にはそれでも柵をどかして入ってきてしまう一般車両もいたので、今回こうした看板を立てることにしました」
と説明。工事現場にはダンプカーなどの重機もあり、そこに一般車両が入り込んでしまうと思わぬトラブルにも繋がりかねないので、入らないようにしてほしいとのこと。道が崩落しているので、もちろん歩行者の通行もできないそうだ。
ツイッターでの反響について、作業員は、
「中には『どうなっているのか見たい』という人もいるのですが、こうして話題になることで、現場の危険性や、私たちが危険防止のためにこうした取り組みをしているということを理解してもらえたらと思います」
とコメントしている。