北海道のソウルフード「やき弁」新商品は、まさかの湯戻し「1分」 いつものとどう違う?マニアが比べてみました!
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第六十四回 東洋水産「やきそば弁当 いつもよりちょっとQuick」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第六十四回目となる今回は、北海道限定のカップ焼そば「やきそば弁当」シリーズの新商品、「やきそば弁当 いつもよりちょっとQuick」を食べてレビューしていきます。
「やきそば弁当」シリーズの46周年記念商品です。46年とは随分長い歴史ですよね。
北海道のソウルフード「やきそば弁当」の新商品
「やきそば弁当」といえば、北海道が誇るソウルフード的な存在で、「やき弁」の愛称で親しまれています。札幌ラーメン、スープカレー、さらにはカニやメロンなどにも比肩する大名物。北海道限定でありながら、その存在の大きさは北海道内に留まらず、全国的に有名な商品となっています。
北海道土産としても、あの有名な「白い恋人」や「マルセイバターサンド」にすら全く引けを取りません。
麺の戻し湯で作る「中華スープ」が付いてくるのも人気の要因となっており、やさしい味の焼そばは、塩気強めな中華スープで流し込むことで味が最適化されます。
今回の商品は、「やきそば弁当」の46周年を記念して発売された商品で、いつもなら熱湯3分のところ、1分で湯戻しできてしまうのが特徴。調理時間が3分の1になるのを「いつもよりちょっと」と表現するのが果たして妥当なのかどうか......。本来なら「いつもより『だいぶ』Quick」としてもいいところなのに、メーカーのご謙遜が入っているかもしれませんね。
実は以前にも湯戻し1分の「やきそば弁当」が発売されていたことがありました。2016年2月に発売されていた「やきそば弁当 エクスプレス」で、1分湯戻しの早さ(速さ)やパッケージの緑色っぽいカラー、そして具として函館名物イカが入っており、明示はされていなかったですが、同時期に開業した「北海道新幹線」をイメージした商品のようでした。
今回は以前の「エクスプレス」とは違い、イカのような「通常のやきそば弁当」には入っていない具はありません。見た目には湯戻し時間以外に大きな違いはなさそうなので、食べてみて実際どう違うのか、通常の「やきそば弁当」(以下「通常やき弁」)と比較してみたいと思います。
内容物を比較
「いつもよりちょっとQuick」、「通常やきそば弁当弁」のどちらも、別添袋は3つ。「ふりかけ+中華スープ」の袋は両者同じようですが、「ソース」と「かやく」の袋は別のものが入っていました。麺だけ違って他は同じというわけではなさそうです。
写真からはわかりづらいですが、両者の麺の太さがちょっと違い、左の「Quick」の方がひとまわり細いです。湯戻し時間を短くするために戻りの早い細麺を使っているようです。
麺量も違っており、「通常やき弁」が麺量100グラムなのに対し、「Quick」は90グラムで10グラム少なくなっています。
また、麺だけではなく、「かやく」に入っている肉も違います。
原材料記載によれば、「通常やき弁」が「味付チキンダイス」なのに対し、「Quick」は「味付挽肉」とのこと。
いつもよりソースが甘い!
ちょっと甘めのソースに、縮れのついた麺を合わせ、具として肉やキャベツ、ふりかけがのった構成は、両者に共通しています。
麺の太さに合わせてソースの味を調整しているとのことで、「いつもよりちょっとQuick」のソースはいつもよりさらに甘めで、わかりやすい味だと感じました。麺が細いため、相対的にソースの味が濃く感じられます。
一方の「通常やき弁」は、ソースの味がややおとなしめ。合わせる麺が比較すると太いことが影響しているものと思われます。
「やきそば弁当」のソースは、別添の「中華スープ」と合わせて食べるのに最適化されているため、他社のカップ焼そばに比べるとやさしい味。主張がおとなしいため他の味と合わせやすくアレンジ性が高いのも特徴で、マヨネーズは必携と言って憚らない「やき弁」ファンもいるくらいです。
キャベツの量や、あおさ&紅生姜のふりかけは両者共通と思われますが、肉には違いがあり、チキンダイスを使用している「通常やき弁」の方がだいぶ量が多くてリッチに感じました。
麺は食感も量もまったく違う!
「Quick」の麺は1分湯戻しで細めなのに対し、「通常やき弁」は3分湯戻しで、湯戻し前よりもだいぶ太さに違いがあるように感じます。細い麺、かための麺がが好きならば断然「Quick」が良いでしょう。
「通常やき弁」の麺も中細程度で十分細めなのですが、「Quick」に比べると3分湯戻しによってだいぶ膨らむため、比較するとまるで太麺のように見えます。
さらには、湯戻し前は10グラムだった麺量の差ですが、湯戻し後は「通常やき弁」のほうが1.5倍くらい麺が多いように感じました。ボリューム重視なら断然、「通常やき弁」を選ぶべきです!
「やきそば弁当」の名物「中華スープ」も比較してみました。とは言っても、おそらく入っているスープ粉末はまったく同じもので、1分と3分の戻し湯で味が違うのかが気になりました。
比べてみた結果は・・・すみません。筆者の味覚では1分と3分の味の違いなどまったくわかりません!そんな違いを感じ取れる繊細な味覚など持ち合わせていないことをすっかり忘れていました。
湯戻し時間だけではない両者の違い
「やきそば弁当」の46周年記念商品、「いつもよりちょっとQuick」でしたが、単に湯戻し時間が2分短いだけではなく、麺の太さの違いによってソースの味や麺の食感に差が生まれるとともに、麺量にも大きな違いがありました。
甘くてハッキリした味わい、細麺が好みなら「Quick」、安定の味や麺のボリュームを求めるなら「通常やき弁」が良さそうです。