絵本「からすのパンやさん」のパン全84種がぜーんぶ立体に! 福岡「絵本ミュージアム」が最高にかわいい
「からすのパンやさん」(かこさとし作・絵、偕成社)という絵本を読んだことはあるだろうか。
「いずみがもり」という木の上にある「からすのパンやさん」。そこに4羽の赤ちゃんが生まれ、からすのお父さんとお母さんは、仕事と子育ての両立でてんやわんや。お店はうまくいかず、貧乏になってしまう。
そこから、家族みんなで協力して変わった形の素敵なパンをたくさん作り、からすのパンやさんは大人気に!......非常にざっくりまとめると、そんなお話だ。
1973年の発売から40年以上読まれ続けている、ロングセラー絵本である。
この作品をモチーフにした展示が、今、ツイッターで大きな注目を集めている。
こちらは、福岡アジア美術館(福岡市)の公式ツイッターが、2021年7月31日に投稿した写真。
7月15日~8月22日に開催中の「おいでよ!絵本ミュージアム2021」で展示されている、「からすのパンやさん」コーナーを紹介したものだ。
「『からすのパンやさん』コーナーには、なんと本に登場する84種類のパンすべてが立体化されています。パンだけでなく、からすの一家も一緒にパンを見ています。さらには、一家のこどもたちのお店まであります!
絵本の世界をゆっくりお楽しみください」(ツイートより)
この投稿に、リプライ欄では「からすのパンやさん」の絵本が昔から好きという人たちの声が多く寄せられている。
「このパンの種類を読み上げるだけで疲れるほどの数なんだよね。可愛いのがいっぱいあるんだよー」
「子供の頃から大好きな絵本だぁ~! カラスのパン屋さんメッチャ可愛い!」
「何回も何回も読みました。懐かしいなぁ」
見開きにたくさんのユニークなパンが並んでいるページは、やはり思い出に残っている人も多いようだ。
Jタウンネット記者は8月6日、「おいでよ!絵本ミュージアム」の広報を担当している西日本新聞社を取材した。
一般的なパンより大きめ
「おいでよ!絵本ミュージアム」は07年から毎年、福岡アジア美術館で開催されている(20年は新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンライン上で開催)。
親子や子どもどうしで、楽しく絵本や物語の世界を体感できる展示や空間などが特徴だ。
「からすのパンやさん」コーナーでは、写真のように、作中に登場するパンやキャラクターが立体化され、展示されている。
さらに、続編である「からすのやおやさん」などに出てくるモチーフも。
中でも見どころなのは、やはりツイートでも話題になった「全84種のパン」だ。
写真でわかるだけでも、「ぞうパン」「にわとりパン」「はさみパン」「ヨットパン」......などなど、現実のパン屋にはまず売っていないであろうユニークなパンが、ところせましと並んでいる。
取材に応じた広報担当者によると、これらの展示品は、一般的なパンよりひとまわりかふたまわりは大きいとのこと。
来場者の反応については、
「お子様たちはもちろん、保護者の方々も『懐かしい!』と喜ばれています。展示室内で人気の撮影スポットとなっています」
と、コメントした。
また、「小学校が夏休みに入り、徐々に来場者の数も増えてきています」とのことだ。
身体全体でおはなしの世界を体感
広報担当者によると、展示のテーマやモチーフとなる絵本は毎年変わる。
21年は、「ぐりとぐら」(なかがわりえこ作、おおむらゆりこ絵、福音館書店)や「わたしのワンピース」(にしまきかやこ作、こぐま社)、その他複数の絵本の世界を体験できる展示等のほか、ワークショップなどの体験型イベントも実施。
NTTグループが提供する先端技術を活用したデジタルコンテンツも展示され、見るだけでなく、身体全体を使ってファンタジーの世界を楽しめる構成になっている。
近くに住んでいる人は、昔、絵本で読んで食べたくなったあのパンたちを、見に行ってみては?