和歌山でトルコ建国の父が「領域展開」 圧倒的な星空に吸い込まれそう
「領域展開した和歌山の星空を見てほしい」
そんなコメントとともに投稿された星空の写真が、ツイッターで注目を集めている。
いくつもの白い環が同心円状に広がっている。動き続ける星の軌跡を捉えたものだ。
その中心には、馬に乗った人物の人差し指が。まるでその指から光が広がっているようである。
こちらは、ツイッターユーザーの関岡大晃さんが2021年7月25日に投稿したもの。
この光景を漫画「呪術廻戦」に登場する戦闘技術「領域展開」というコトバで表現したところ、
「かっこいいなあ」
「吸い込まれそう!」
「呪霊操術 極ノ番 うずまき」
といった声が続々と寄せられている。なかには漫画「NARUTO-ナルト-」の「輪廻眼」を彷彿とさせたという声も......!
Jタウンネット記者は28日、撮影者の関岡さんに詳しい話を聞いてみた。
4時間半かけて撮影
関岡大晃さんは、大阪府在住で、会社員の20代男性。
話題の写真は和歌山県最大の島・紀伊大島(串本町)で3月に撮影したものだという。
24ミリレンズで4時間半かけて撮影したデータを合成し、「領域展開」した星空を作り上げた。カメラを同じ場所に置いたまま30秒ごとにシャッターを切り、約1000枚にも及ぶ写真を編集ソフト「Photoshop」上で「比較明合成」することで、グルグルとした星の軌跡を1枚の写真で表現したそうだ。
改めて写真を見ると、その中心に吸い込まれそうである......!
ちなみに、馬にまたがる人の影は、樫野崎灯台にある「ムスタファ・ケマル・アタテュルク騎馬像」。トルコ共和国の建国者で、初代大統領である彼の像は、2010年にこの地に移設された。
なぜこの場所にそんな像があるのかというと、ここで、日本とトルコの友好関係の原点とされる出来事が起こったからだ。
1890年、トルコ(当時はオスマン帝国)の親善訪日使節団を乗せた軍艦「エルトゥールル号」が樫野崎灯台近くで荒波により沈没してしまった。この事故により580人以上が遭難したが、地元民による救難活動によって、奇跡的に69人の命が救われた。
和歌山県のウェブサイトによると、この時島民が行った献身的な救助活動はトルコの人々の間で語り継がれているという。