「お客様の中にファラオはいらっしゃいませんか?」 大浴場に人知れず建設された「ヒノキのピラミッド」に反響
早朝の大浴場でピラミッドが建設されていた──。
とある温泉施設の公式アカウントがこんな文面と共に投稿した写真が、ツイッターで話題になっている。
これだけ聞いてもどんな状況なのかまったく想像できないが、一体何が起こったのだろうか。気になる現場の様子が、こちらだ。
お湯の張られた大浴場の片隅に、ブロック状の木材がいくつも積み重なっている。しかも、下段から上段に行くにつれてブロックの数が減っていくという、まさにピラミッドのような形だ。
さらに左側のピラミッドをよく見てみると、三角形の左の辺では中段より上のブロックがなく、下辺付近の一部は他とは色が違うものが積まれている。これにより、まるで大・中・小の三つのピラミッドが重なっているように見えるあたり、かなり芸が細かい。
作り上げるのにかなりの時間がかかりそうだが、一体誰が、何の目的で「建設」したのだろうか......?
こちらの写真に対し、ツイッター上では、
「コレは凄い」
「途中からやめられなくなっちまった感w」
「金曜日だけに金字塔ってことかな」
「お客様にファラオはいらっしゃいませんか?」
といった声が寄せられている。
話題になっているのは、石川県金沢市にある温泉・宿泊施設「テルメ金沢」の公式ツイッターが2021年7月3日に投稿した写真だ。Jタウンネット記者は6日、同施設に取材した。
「よくここまで積み上げられたな、と思いました」
取材に応じたテルメ金沢の代表によると、こちらのピラミッドは3日の朝3時ごろ、男性用大浴場の露天風呂の掃除に訪れた清掃スタッフが発見したものだ。
「当温泉では毎週金曜日に『檜の湯』という、ヒノキをお湯に浮かべた温泉を提供しています。
土曜日にはまた違う温泉を提供するので、その準備のために早朝に露天風呂に行ったら発見したという経緯です。
どなたかはわかりませんが、おそらくお客様の誰かが2日の金曜日に積み上げたんだと思います」(代表)
「檜の湯」で使用されているヒノキは一辺が3~4センチメートルの立方体状のブロックと、それよりも大きい角材。今回ピラミッドの建材に使われていたのは小さい方のブロックだ。
こちらのピラミッドを発見した際の感想として、代表は、
「驚きました。投稿された写真をよく見ていただけるとわかるかと思いますが、このヒノキの立方体は一つ一つの大きさが微妙に違って、バラバラなんです。それをよくここまで積み上げられたな、と思いました。
現場にいた清掃スタッフたちも、そのあまりの精巧さにそのまま崩してよいものかどうかわからなかったそうで、実際に上に連絡をして指示を仰いでおりました」
と述べた。
その後、ピラミッドは念のため写真を撮ってテルメ金沢の広告チームに渡したのち、清掃スタッフが崩したそうだ。
「ヒノキは水に濡れたままだと腐ってしまいますし、また、翌週の金曜日に使うためにも、どのみち撤去するしかありませんでした。
ただ、広告チームが公式ツイッターの投稿で『来週もぜひお願いいたします』とコメントしているように、スタッフ側でも歓迎ムードでしたね(笑)」(代表)
ツイッターでの反響について、代表は、
「こうしてSNSで話題になるのは嬉しい限りです。
また、県外に出た石川県民の方々から『なつかしい』『テルメ金沢まだ営業してたんだ』というお声があったのもありがたいです」
とコメントしている。