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「駅」が笑顔でおもてなし? JR四国の奇抜なゆるキャラが話題に→生まれたワケを聞いてみた

井上 慧果

井上 慧果

2021.06.24 17:00
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突然だが、JR高松駅(香川県高松市)の駅舎に、「顔」がついているのを皆さんはご存知だろうか。

かわいい(画像はJR四国提供)
かわいい(画像はJR四国提供)

駅舎についた顔がにっこり微笑んでいる。最寄り駅が毎朝この笑顔で迎えてくれたら、一日元気に頑張れそうだ。

このユニークなデザイン、実は高松駅のイメージキャラクター「たかまつえきちゃん」を実写化したもの。

駅舎そのものをキャラクターにするとはなんともシュールだが......なんとJR四国では高松駅だけではなく主要駅のほとんどをキャラクター化している。

ツイッターで「狂気」を感じると話題になっているその取り組みを、Jタウンネット記者が取材した。

魔法で笑顔に変身?

いろんな「えきちゃん」がいる(JR四国公式ウェブサイトより)
いろんな「えきちゃん」がいる(JR四国公式ウェブサイトより)

JR四国の公式ウェブサイトを見てみると、

「SHIKOKU SMILE STATION♥
微笑みの妖精『すまいるえきちゃん』の素敵な魔法にかかった駅たちです」

という言葉とともに「とくしまえきちゃん」「いしいえきちゃん」「かもじまえきちゃん」などの主要駅の駅舎キャラクターたちがズラリと並んでいる。

「すまいるえきちゃん」とは、JR四国の公式イメージキャラクター。

魔法で駅や列車を笑顔に変えてしまうという駅舎の妖精である。

すまいるえきちゃん(下)とれっちゃくん(上)(画像はJR四国提供)
すまいるえきちゃん(下)とれっちゃくん(上)(画像はJR四国提供)

顔のついた駅舎たちは、すまいるえきちゃんの魔法によって、ニコニコ笑っているという設定らしい。

JR四国の公式ウェブサイトでは、各主要駅の詳細ページに飛ぶと、その駅の「えきちゃん」を見ることができる。

こうちえきちゃん(JR四国公式ウェブサイトより)
こうちえきちゃん(JR四国公式ウェブサイトより)

建物の特徴を捉えたキャラクターで、それぞれの駅舎の違いが分かるのも面白い。

いったいどうして「駅」そのものをキャラクター化することにしたのか。そして、どのくらいの駅がすまいるえきちゃんの魔法にかかっているのか......。

2021年6月21日、JR四国・デザインプロジェクト担当室長の松岡哲也さんに話を聞いた。

笑顔でおもてなしの思いをこめて

松岡さんは、JR四国で「えきちゃん」たちや「すまいるえきちゃん」などのキャラクターのほか、観光列車のラッピングデザイン等も担当している。

「えきちゃん」たちが誕生したのは13年6月のころだ。

「当時、JR四国管内で有人駅だった51駅をキャラクターにしました。
そのキャラクターを駅職員たちが名札につけていたのですが、笑顔の駅舎のキャラクターをつけていることでおもてなしの気持ちを表現できればとこのデザインにしました」(松岡さん)

松岡さんは元々は建築の仕事をしていたという。駅の設計にも携わっていたので、駅舎というモチーフはキャラクター化しやすかった。

高松駅舎に顔がついたのは、「えきちゃん」たちが誕生した翌14年の4月。

「JR四国の高松駅から多度津駅まで、交通系ICカード『SHIKOKU ICOCA』が利用できるようになったことを記念して、何かやろうということになったんです。
それで、『たかまつえきちゃん』のように、駅舎に実際に顔がついたら面白いかな......と思って駅舎に顔をつけました」(松岡さん)

この時、「たかまつえきちゃん」と「たどつえきちゃん」が描かれた記念ICOCAも発行された。

よく見ると表情にも個性がある(画像はJR四国提供)
よく見ると表情にも個性がある(画像はJR四国提供)

現在はSHIKOKU ICOCAの利用区間も広がり、このデザインのカードは販売していないが、たかまつえきちゃんが描かれたカードは今も販売されているという。

キャラクター化しているのは全部で129駅

その後、「えきちゃん」たちに魔法をかけた存在として、16年4月25日、「すまいるえきちゃん」がお披露目された。

えきちゃんたちはその後も、駅のイベントや周年記念などにあわせて着々と増え、21年6月時点でキャラクター化されているのは、259駅中129駅。

なんと半分以上がすでに、すまいるえきちゃんの魔法にかかって笑顔になっているのだ。

松岡さんは、このキャラクターたちについて

「駅舎というのは案外みんな知らないものなんですよね。
毎日使っていても、その駅の駅舎の形状を知らないという方は結構多いと思います。 ですから、駅や駅舎を知ってもらういいPRにもなっているのかな、と感じています」

と語る。

えきちゃんたちは、有人であれば構内のPOPなどに使用されていることもあるそうで、最寄り駅やよく使用する駅への愛着が増しそうである。

また、毎年8月に開催される津嶋神社の夏季例大祭のときだけ営業する臨時駅「津島ノ宮駅」(香川県三豊市)は、高松駅のように駅舎に顔がつくそうだ。

臨時駅もキャラクターに(画像はJR四国提供)
臨時駅もキャラクターに(画像はJR四国提供)

今回JR四国の主要駅のキャラクター化が話題となったことを受け、松岡さんは

「『えきちゃん』たちのオリジナルバッジを集めていらっしゃる方などから『もう新しい駅は増えないんですか?』というようなお声をいただいていましたが、他の業務が忙しくしばらく増やせていませんでした。
まだ無人駅の多くはキャラクター化できていなかったり、キャラクター化したあとに駅の見た目が変わったりしたものもあるので、そういったものも増やしたいとは思っています。 この度、せっかく皆さんに話題にしていただけたので今後も頑張っていきたいです」

と意気込みを語った。

6月25日10時30分追記:記事初出時、本文中の表記に一部誤りがありましたので、修正しました

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