服に付けるだけで虫よけ効果あり? 釣り人に人気の「おにやんま君」の実力とは
積極的に近づいてくる昆虫には注意が必要
まず、そもそも自然界において、本物のオニヤンマを恐れて、虫たちが避けていくことはあるのか。
記者の質問に、専門家は
「飛翔中の弱小昆虫は、オニヤンマに限らず、大形の蝶やバッタであってもその接近に気づけば身をかわすくらいのことは行うでしょう。
ただ、地表にいる弱小昆虫が低空飛翔するオニヤンマに驚いて逃げ出すという光景は見たことがありません」
と答える。
専門家によれば、トンボの捕食は待ち伏せ型。
「摂食活動を行う際にはエサとなる昆虫が多い場所や集まってくる場所で徘徊飛翔しながら、不用意に近付いてきた昆虫を捕まえている感じです。もちろん、傍らを通り過ぎるものは追いかけますが、せいぜい数メートルから十数メートル程度で深追いすることはありません。
一方、野鳥やヒトなど、大形の動物が一定速度で接近してきた際には、むしろオニヤンマの方が進路を譲ってくれます」
とのこと。
それを踏まえた上で、オニヤンマを模したものをつけていた際の虫よけ効果については
「模型そのものではなく、その模型を身に付けた大形動物、つまり人の姿に驚いてオニヤンマも含め多くの昆虫類が忌避行動を取るということは推察できます」
としていた。しかし、蚊やブユ、アブ、または巣を守ろうとするハチのように「積極的に人に接近してくる昆虫」に対しては、
「防虫スプレーもしくは殺虫剤噴霧機能付き模型でなければ、その接近を防ぐことはできないと思います」
とも話した。
自然界には、スズメバチのような攻撃性の高い昆虫も存在する。そういった昆虫に対しては、この「おにやんま君」をつけているからといって安心せず、注意が必要なようだ。
とはいえ、かまタナゴさんのように効果を実感しているユーザーがいることも確か。
YOU・SHI西日本の代表が言うとおり「信じるか信じないかはあなた次第」ではあるが、虫がたくさんいそうなところに行くときは、お守り代わりに「おにやんま君」を連れて行くのもいいかもしれない。