旭川の繁華街に「ぐにゃり」曲がった電柱がズラリ 何故こんなことに?設置会社に聞いた
道路改良工事の結果...
曲がった電柱を設置したのは、北海道電力ネットワーク。
4月28日、Jタウンネットは同社・流通総務部の担当者に詳しい話を聞いてみた。
この電柱の正式名称は「S型組立鋼管柱」。材質は「鋼管」で、金属製だという。
設置時期は遡ること、約30年前。1987年ごろに、旭川市2・3仲通り(2条通と3条通の間の通り)の6丁目から8丁目にかけてと、旭川市3・4仲通り(3条通と4条通の間の通り)の6丁目から8丁目にかけて設置されたという。
また他にもいくつかの場所に設置しているとのことだが、「現時点で全ての場所を把握しきれていない」とのこと。
どうして、曲がった電柱を設置したのだろう。担当者は、
「旭川市役所の側溝整備道路改良工事が行われ、その時に電柱の建替工事が発生しました。
この場所は、道路幅が狭く、埋設されている上下水道などにより、電柱の設置場所が制限されてしまいました。そこでやむを得ず家屋寄りに設置せざるを得なくなりました。
しかし、この場所は繁華街であるため、看板などと電線との離隔を確保しなくてはならず、看板などを避けるためにこのような形状の電柱を採用しました」
と説明する。
電線には電流が流れているため、看板にあたると危険だからということだろうか? 疑問に思って聞いてみると、
「その通りです。正確には、電気設備に関する技術基準を定める省令により離隔距離が定められております」(担当者)
「S型組立鋼管柱」は、こうした「特殊な事情」がある場合のみ建柱しているもの。そのため、「工期面、費用面でお客さまに負担がかかる」そうだ。
金属やコンクリート製品などの製造販売をする日本ネットワークサポート(本社:大阪)の公式サイトによると、狭い道路の両脇に多くの店が軒を連ねる京都の先斗町通(中京区)でも、景観保護のためにこの「S型」電柱が複数使用されていた。
ただ、こちらは京都市が進める「無電柱化事業」で、19年10月から抜柱されている。
世にも珍しい「S型」電柱。これから先、もっと珍しいものになってしまうのかも?