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「雨で濡れて冷たく、気持ち悪い」←山形県民なら、一言で表現できるらしい【標準語では説明できない方言】

井上 慧果

井上 慧果

2021.04.27 06:00
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「文字化が難しい」

編集部に山形県在住の40代女性からこんなメールが届いた。

「『やばつい』

これは、国語の先生が、標準語に直せない唯一の山形弁といっていました。
手を洗い、手についた水をぶらぶらして払った水飛沫がかかった時などに使います。
水に濡れた、とまでは言わない時に使う感じです。やっぱり標準語には直せませんw」

国語の先生が「標準語に直せない唯一の山形弁」とまで言うとは......。

同じく山形県在住の50代男性からも

「やばちぃ(文字化が難しい)
濡れてしまった+気持ち(シチュエーションにより異なる)を含む言葉で、状態よりはその瞬間の感嘆符みたいな言葉。
嫌なも気持ちの例 雨が降ってきて濡れてしまった。長靴に水が漏れてきた。
楽しい気持ち 水遊びをしていて、水をかけられた。これら、全て『やばちぃ』と叫ぶ」

というメールが届いている。

どうやら、水が体にかかった状況での感情表現として使われているようだ。

また、50代男性の投稿の中には「文字化が難しい」ともある。これは真の地元民にしか使えない方言なのかもしれない......。

水が跳ねて濡れたり...(画像はイメージ)
水が跳ねて濡れたり...(画像はイメージ)

「日本方言辞典(小学館、ジャパンナレッジ版)」で調べてみると、形容詞として

「やばちー」

という言葉が載っていた。

「雨などにぬれたさまだ。じめじめしている。湿っぽい」

また

「ぬれて冷たく、気持ちが悪い」

などといった意味で、庄内(山形)や仙台(宮城)を中心に、主に東北地方で使われており、また、北海道や新潟県の一部も使用地域として上げられている。

地域によっては「やばちょい」「やぽつ」「やんばつ」「やんばち」「やばつけ」などのバリエーションも豊富。投稿があった山形県では「やばちー」「やばつい」のどちらも使用されているとある。

同辞典によると、「やばちー(やばつい)」の「やば」は「夜半」で、「夜半湿気のつくこと」を表しているそう。

ツイッターでは山形県民らしきユーザーたちが

「山形の一部地域では『水に少しだけ濡れて不快である』という状態をさす『やばつい』という方言があって、なかなか該当する他の表現がないですね...
『隣を歩いてる友達が水溜りに突っ込んで飛沫が自分に飛んだ』みたいな時に使います。自分がびしょびしょに濡れちゃった場合は使いません」
「やばついは雨とか水撒きとかの滴とかがかかって冷たい状態をいう」
「雨水に当たったときなどに『やばち!』って反射的に出るようになったら庄内人」
「やばついはニュアンスがとても難しいので、やばついはやばつい」

などとこの言葉を紹介している。標準語に直そうと思っても、直しきれないニュアンスを含んでいるようだ。

「やばつい(やばちー)」を使いこなせるようになれば、真の山形県民になれるのかもしれない。

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