「スタッフが売りづらいとささやいた」「強気な発注姿勢が裏目に」 売れ残りを売り切った、水族館の逆転アイデア
「あなたが想像するペンギンポーチではない」
「今でも売れなかった理由がわからない」
「クオリティは高い。クオリティは高い。大事なことなので二度」
すみだ水族館の自虐的すぎる取り組みが、ツイッターで話題になっている。
これは、ツイッターユーザーのまさらっきさん(@masarakki)が2021年3月20日に投稿したもの。
ピンクや水色、緑などカラフルな箱がたくさん積まれ、色ごとに異なるコピーが書かれている。冒頭で紹介したもの以外にも、様々なフレーズが。
「開業当初からずっと残っている」
「ショップスタッフが少し困惑した顔で売りづらいとささやいた」
「強気な発注姿勢が見事裏目に」
......どれもかなりエッジが利いている。
リプライ欄にも、
「ショップスタッフが売りづらいやつ気になりますw」
「(「あなたが想像するペンギンポーチではない」に対して)ここ好きww」
など、興味しんしんな人たちの声が集まっている。
これは一体どういうことなのか......?
Jタウンネット編集部は25日、すみだ水族館(東京都墨田区)を取材した。
「本音を書いてしまおうと...」
「大決算! 売れ残りガチャ」は、1日から館内ショップで行われた催し。中身が見えない箱が、1個500円(税込み)で販売された。
中身は、2012年5月のすみだ水族館オープン当初からずっと売れ残り続けていたものや、再入荷後に売れなくなった商品など。
客は箱を自由に選んで購入できるが、何が入っているかは開けるまでわからず、ドキドキ感が楽しめる。
この「売れ残りガチャ」でユニークなコピーを採用した理由を尋ねると、広報担当者は
「どの商品も質は良いのに、なぜ手に取っていただけないのだろうと全員感じておりました。なので、その本音を書いてしまおうという判断になりこのようなコピーにしました」
と、答えてくれた。
それぞれのコピーは、すみだ水族館の企画広報チームらで考案したそうだ。
今回のガチャでは、1つのグッズが入った箱もあれば複数のグッズが入った箱もあったものの、どれもお得なことは間違いないという。
21年3月20、21日には各日500箱前後が販売され、22日9時30分には、同館公式ツイッターが「完売いたしました」とつぶやいている。
さらに、すみだ水族館と同じく「オリックス水族館」が運営する、京都水族館(京都市)でも同様の売れ残りガチャが販売されていた。
こちらは黒い箱に白字というデザインで、コピーの内容もすみだ水族館とは異なっている。
京都水族館の広報担当者によると、これらは同館の企画広報チームらで考案したもので、中身のグッズも、モチーフのいきものが異なるそうだ(一部のラインナップは同じ)。
こちらのガチャもすみだ水族館同様、すべて完売。21日に公式ツイッターで「予想を遥かに上回るスピードで残りの追加分も完売いたしました! 今後の再販売はございません」と、報告した。
一体、「開業当初からずっと残っていたグッズ」とは何だったのか......。それを知るのは、購入できた人だけだ。