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由緒ある寺の水盤に、突如寄贈された大量の「アヒル」 いったい何事?担当者に聞いた

大久保 歩

大久保 歩

2021.03.05 18:22
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由緒正しい京都のお寺に、なぜか大量のアヒルが飾られている......。そんな投稿が、ツイッター上で話題になっている。

手水舎の水盤に、菊のような花がたくさん浮かんでいるのに混じって、お風呂によくあるアヒルのおもちゃがたくさん集まっている。その後ろの、ししおどしから落ちた水が流れるところにも、アヒルがずらり。

なんとものどかな光景に、つい顔がほころびそうだ。

これは2021年3月2日、京都市にある「金戒光明寺」、通称「くろ谷」の公式ツイッターが投稿したものだ。5日時点で3万近い「いいね」が集まるなど、大きな反響が寄せられている。

しかし、なぜお寺にこんなにたくさんのアヒルが?

ツイートには「御寄進くださった」と書かれているが、これはどういうことだろう?

気になったJタウンネット編集部は4日、同寺のツイッター担当者に詳しい話を聞いた。

水盤のカメが消えて...

アヒル、アヒル、アヒル...!(写真は金戒光明寺提供。編集部でトリミング)
アヒル、アヒル、アヒル...!(写真は金戒光明寺提供。編集部でトリミング)

担当者によると、2日に寺の敷地内で、担当者自身がこのアヒルのおもちゃを発見した。

そして翌日もアヒルを持ってきた人がいたため、あいさつとお礼をしたとのこと。相手は帰ろうとしていたものの、職員に引き止めてもらって会えたそうだ。

アヒルたちは金戒光明寺を訪れた人が好意で置いていったものだが、実は、以前この水盤に飾られていたカメのおもちゃの代わりにと贈られたものだという。

そのカメのおもちゃというのは、20年12月、寺の水盤に現れたもの。誰かが置いていったようだ。

亀たちはしばらくの間、この水盤に飾られていたが、21年2月7日、突如として1匹もいなくなってしまったという。

そして17日、カメたちは戻ってきたものの、なぜか一部はアフロをかぶった姿になっていた。18日には、アフロ姿のカメが増えている写真が投稿されている。

金戒光明寺にある「五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀仏」は、アフロのような頭部が特徴的(写真は金戒光明寺供)
金戒光明寺にある「五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀仏」は、アフロのような頭部が特徴的(写真は金戒光明寺供)

またしても消えたカメと、やってきたアヒル。そして...

しかし3月2日、新しく来たはずのアフロガメたちも消えてしまった。

一度ならず二度までも......。担当者が落胆していたところ、その日のうちに、手水舎の水盤には、新しいアヒルのおもちゃが置かれていた。

これが冒頭の、今ツイッターで話題になっている投稿というわけだ。

ずらりと並ぶと圧巻......!(写真は金戒光明寺提供)
ずらりと並ぶと圧巻......!(写真は金戒光明寺提供)

同寺のツイッター担当者は、このアヒルたちについて

「亀さんが居なくなってしまって少なからず悲しかったり寂しかったりしてくださる人がいて、さらに、寄付という形で直ぐに行動に移して御寄進くださった方の気持ちはありがたく頂戴してます!
このような反響は予期せぬ事でしたが、『災い転じて福となす』が率直な意見です」

とコメント。

ツイートでも「ご好意でいただいた大事なアヒルさんが、いなくなりませんように」とつぶやいており、周辺に防犯カメラも設置したそうだ。

現在はセキュリティもばっちり(写真は金戒光明寺提供)
現在はセキュリティもばっちり(写真は金戒光明寺提供)

さらに取材を進めている途中で、担当者から新たな連絡があった。

なんと4日の夕方ごろ、なくなったアフロガメたちも無事に戻ってきたのだ。

仲良く遊ぶアヒルとアフロガメたち(写真は金戒光明寺提供)
仲良く遊ぶアヒルとアフロガメたち(写真は金戒光明寺提供)

めでたしめでたし、である。

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