氷河期が到来してる...? 寒波に襲われた福井駅があまりにも「デイ・アフター・トゥモロー」だった
「絶滅の瞬間でした......笑笑」
投稿主tomosakiさんによると、撮影したのは2月18日の深夜1時ごろ。「この日はたくさんの雪が降り続いており、50センチほどの積雪でした」とのこと。
深夜にわざわざ撮影に出かけた狙いを聞いてみた。
「福井駅に雪が積もると氷河期のようになるということは、以前から地元民の間では話題になっていました。
しかし、一眼レフで撮影された写真は一度も見たことがなかったので、この寒波が狙いどきだと思い、撮影に挑みました。
夜中に撮影したため、周りは完全に無人であったため、より一層恐竜の哀愁漂っていました」
氷河期の訪れと、滅びゆく恐竜の哀愁は、こうやって捉えられたというわけだ。
「絶滅の瞬間でした......笑笑」と、投稿主。「歴史的瞬間を写真で残すことができて光栄です!笑」と満足気につぶやいている。
ちなみに白亜紀の恐竜が絶滅した原因は、直径10~15キロの小惑星が地球に衝突し、巻き上げられた塵埃が太陽の光を遮り、全地球規模の気温低下を引き起こした、という説が有力とされている。
ところで、福井駅前になぜ恐竜がいるの? と不思議に思う読者も多いことだろう。
1982年、福井県勝山市で、中生代白亜紀前期のワニ類化石が発掘されたことがきっかけとなり、5種の新種恐竜化石が発見された。2000年、勝山市に福井県立恐竜博物館が開館し、勝山で発見された恐竜の化石標本などが展示された。福井県が「恐竜王国」と自称するようになったのは、そのためだ。
福井駅前に恐竜広場がオープンしたのは、2016年。福井で生息していたフクイティタン、フクイサウルス、フクイラプトルの3体の動くモニュメントが設置されている。
県のウェブサイトによると、学術的に的確に動くモニュメントが駅前広場に設置されているのは、世界でも珍しいということだ。
3体の中で最も大きなフクイティタンのモニュメントは、最高約6メートル、全長は10メートル。
2007~8年に福井県勝山市にある、白亜紀前期(1億2000万年ほど前)の地層で化石が発掘されたフクイティタン。
首と尾が長い大型草食恐竜「竜脚類ティタノサウルス形類」の恐竜だ。発見されたのは脚や首の骨の一部で、他の竜脚類とは異なる特徴がある、新種の恐竜だそうだ。
フクイサウルスは、日本で初めて全身骨格が復元された恐竜。モニュメントの全長は約4.7メートル、比較的おとなしい草食恐竜・イグアノドンの仲間だ。福井竜という和名を持っている。
フクイラプトルは、肉食恐竜として国内で初めて全身骨格が復元された、テタヌラ類に属する獣脚類の恐竜。モニュメントの全長は約4.2メートルだが、実際はもっと大きかったかもしれない。
投稿主tomosakiさんが撮影したのは、深夜なので、さすがに動いてはいなかったが、相当にインパクトがあったことは確かだ。
投稿主tomosakiさんは、福井市在住の学生。コロナ禍をきっかけに、地元福井の魅力に気づき、シャッターを切るようになったという。
「福井は、自然と近いため、田舎の素朴な美しさや、日常の絶景に気づくことができます。とても大好きです。
福井は他県と比べると知名度が低いですが、福井に行きたいと沢山の方から声をいただき、福井を認知していただけたのは、大変嬉しく思います。これからも、福井の良さを知っていただけるよう、福井を発信し続けたいです」(tomosakiさん)