ペットにする?おかずにする? 静岡のスーパーの鮮魚コーナーで、生きた「ネコザメ」が販売されていた
スーパーの鮮魚コーナーで見かける魚といえば、パッと思いつくのはアジやサンマなど、なじみ深いやつらだろう。
その日売り場に出ている魚を見て、献立を決めるという人も多いのではなかろうか。
では、そんな鮮魚コーナーに足繁く通う人たちにお聞きしたい。例えば売り場にこんな魚が並んでいた場合、その日の献立はどうなるのだろうか?
水の張られたケースの中で泳いでいるのは、トラのような島縞模様の魚。そばに置かれたポップには「ネコザメ」と書かれている。
ネコザメといえば水族館で見かけたり、あるいはふれあい水槽で触ったりしたことがある人も、いるのではないだろうか。
サメと名前が付いているものの、基本的には人に危害を加えたりはしない、大人しい魚だ。
しかし、まさかそれをスーパーで見かけることになろうとは......。
こちらのネコザメの写真に対し、ツイッター上では、
「えーー!!びっくりです!買って海に逃がしたい!」
「ペットに欲しいんですけど...笑」
「多分観賞用だと思うのですが...食べれるのですかね?」
といった声が寄せられている。
何用として売られているのかは不明
話題になっているのは、ツイッターユーザーのネギちゃん(@negicup)さんが2021年2月16日に投稿した写真。Jタウンネット編集部は18日、投稿主のネギちゃんさんに話を聞いた。
15日、たまたま買い物に行った静岡県富士市のスーパーで、写真のネコザメが売られているのを見つけたネギちゃんさん。
「ペットとして販売しているのか、食用として販売してるのか、どっちなんだろう」と思ったという。
「その後は、ネコザメは買わないで、帰りました。可愛いので飼ってみたいとも思いましたが、設備も無いので諦めました」(ネギちゃんさん)
ネギちゃんさんの疑問ももっともだろう。18日、Jタウンネットは続いて、ネコザメが売られていたという店に販売の理由を聞こうとしたが、「取材はお断りさせていただきたい」とのことだった。
そこで同日、静岡県下田市にある下田海中水族館を取材。同館は、ネコザメの繁殖賞(日本動物園水族館協会に加盟する園館の中で、飼育動物の繁殖に成功し、かつそれが日本で最初であったものに与えられる賞)を受賞している。
飼育課の都築信隆さんにネコザメの売買について聞いてみたところ、
「何用としてスーパーで売られているのかはわかりません。 観賞用としてペットショップで売られているという例はあるようですが、少なくともネコザメを食用として売るという話は聞いたことがありません。 静岡県で特にネコザメが食用として売られることが結構ある、という話も聞いたことがありません」
とのことだった。
一応食べることはできる......らしい
しかし、スーパーで販売されているということは、どこかから仕入れられている、ということだろう。
調べてみると、沼津魚市場(静岡県沼津市)の活魚売り場でネコザメが売られていた、という情報を見つけた。
そこで19日、運営会社にも取材すると、応じた担当者は、
「沼津魚市場はネコザメをセリで販売しておりますが、食用として販売しているわけではありません。あくまでも観賞用でございます」
と話した。
やはり食用として売られるということは、少なくとも静岡県内ではあまりなさそうだ。
先述したスーパーでも、観賞用として売られていたのかもしれない。
ちなみに、三重県漁業協同組合連合会(三重県津市)の公式サイト「みえぎょれん」のネコザメの項では、「一部の地域で食用として流通しています」と説明されている。その調理法としては「湯引き、酢みそあえ」があるという。