そうっす、いいっす、やばいっす... 若者の「〇〇っす言葉」が生まれたのは「先輩と親しくなりたい」からだった
[ちちんぷいぷい-毎日放送]2021年1月6日放送の「へえ~のコトノハ」のコーナーでは、後輩が先輩に使う「〇〇っす言葉」について調べていました。
みなさんは、先輩に対して「〇〇っす」を使いますか?
番組内で、街の10代から40代男性50人に聞くと、「使う」35人、「使わない」15人という結果に。
「第32回サラリーマン川柳コンクール」(2018)の受賞作品には「叱っても 褒めても返事は 『ヤバいっす!』」(70代男性)というものも。
そこで、「○○っす」言葉の用法などを研究し、本も出版している関東学院大学の中村桃子先生に話を聞いていました。先生によると、1990年代、スポーツマンガ「スラムダンク」や上下関係にきびしいヤンキーの世界を描いた「ろくでなしBLUES」の登場により、体育会系の男子がよく使うようになった言葉とのこと。
そのうちヤンキーでも体育会系でもない男性も使うように...。先生曰く、「〇〇っす言葉」は「日本語のある欠点を補う重要な言葉」だそう。
「敬語」と「親しさ」を同時に表す日本語はない
若者は上下関係より距離感を重視することから、
「先輩には敬意を表さなくては」
と
「でも先輩と親しくもなりたい」
の両方を叶える言葉遣いとして「〇〇っす言葉」が生まれたとのこと。
「です」と「タメ口」の間ということですね。また、主張を和らげたり、より同意を示しやすいという効果もあるようでした。
最近では、男性に媚びない、女性に好かれるという「新たな女性像」を提案するため、女性を起用したCMなどでも「〇〇っす言葉」が使われているものがあるそう。「礼儀知らず」というより「親しみを込めた丁寧さ」を表現できる言葉となっているようです。
(ライター:まみ)