中部地方のごく一部のみで通じる方言「ぶちゃる」 全国の認知度を調べてみたら...
なかなかの接戦...?
全国の結果を見ると、「ぶちゃる」という言葉を「聞いたことも使ったこともある」人は37.0%、「使ったことはないが、聞いたこともあって意味も知っている」人は16.6%。つまり全体で53.6%(659票)が「ぶちゃる」の意味を知っていた。
一方、知らなかったのは「聞いたことはあるが、意味は知らなかった」(1.9%)、「全く知らなかった」(44.5%)と答えた46.4%(572票)。
「ぶちゃる」の意味を知っている人と知らない人は、ほぼ半分ずついるようだ。なかなかの接戦である。
では、地域ごとに見るとどうだろう。
こちらは、「ぶちゃる」の意味を知っている人の割合が高かった地域に色を付けた地図。
ご覧の通り、意味を知っている人の割合が高かった地域は、中部地方に集中している。
複数人から投票のあった地域のうち、全国でもっとも「ぶちゃる」を知っている率が高かったのは、山梨県(97.8%)。
そして、「ぶちゃっていいですか?」と店長に聞き、「お前、何する気だよ?」と返された友人の出身地・群馬県(97.1%)がこれに続く。
新潟(96.0%)、長野(90.3%)でも、9割以上が「ぶちゃる」を知っていた。ちなみに、宮崎は得票数が1票のみだったが、その1人が「聞いたことも使ったこともある」と回答したため、知っている人の割合としては100%という結果になった。
全国の方言約20万語を収録した「日本方言大辞典」(小学館、ジャパンナレッジ版)によると、「捨てる」という言葉には多くの方言がある。北海道・東北では「なげる」、関西では「ほかす」...などだ。
この辞典によると「ぶちゃる」という言葉は群馬県、山梨県、長野県、新潟の資料に登場している。Jタウンネットの今回の調査でも同様の結果が出たことから、この辺りの地域では昔から今まで「ぶちゃる」という言葉が使い続けられているようだ。
ただ、これらの地域に隣接する東京(59.8%)、福島(57.2%)、埼玉(51.2%)の3地域では、他と比べると少しだけ高い割合が出ている。もしかしたら、「ぶちゃる」はじわじわと広まってきているのかもしれない。