「すごい人がいた痕跡がある」 鴨川で発見された石ころオブジェが話題に→なぜ積もうと...?作者に聞いた
家族連れやカップル、学生などで賑わいを見せる鴨川デルタ(京都市)。鴨川と高野川が合流する三角州であり、ギリシャ文字のデルタに形が似ていることからその名がついたという場所だ。
そんな鴨川デルタで「すごい人がいた痕跡」を目撃したとのツイートが話題となっている。
いったいどんなものが残されていたのか......。実際の写真がこちらだ。

河原に落ちている石を積む...というのは、誰でも子どもの頃にしたことがある遊びだろう。筆者もやったことがあるが、石の大きさや形がなかなか上手くハマらなくてすぐに崩れてしまったような気がする。
しかし、今回話題となったこの石のオブジェは、圧倒的なクオリティ。大小、形もバラバラな石たちが何とも絶妙なバランスを保っており、中には左右の石に支えられて浮いている石もある。重力を感じさせない見事なオブジェだ。
これは相当すごい人がここにいたのだろう......。
2020年11月16日に投稿されたこの写真にツイッターでは
「すげぇぇぇw」
「バランス感覚すごい」
「賽の河原で鬼をも感動させる才能の持ち主......」
「京都には凄い人がおるもんや」
といった反応が寄せられている。
石を積んだ作者に話を聞いた
このように石や岩を積み上げることを、ロックバランシングという。話題となった鴨川の作品は、「ロックバランシング・アーティスト」の池西大輔さんが作ったもの。
Jタウンネットは11月18日、この石のアートについて池西さんに話を聞いた。
まず、池西さんが鴨川デルタで作品を制作したのは15日の午後のこと。
話題のツイートの投稿者が通りすがりにこの作品を見かけたのは、16日の昼頃とのことで、投稿された写真はその間に一部が壊れてしまっているらしい。

完成形はこちら。
よりいっそう石のバランスがすごいことになっている......。
普段は整体師をしているという池西さんは、定休日の日曜日に毎週この鴨川デルタで石を積んでいるそう。どうして、池西さんは石を積むのだろうか。
その理由を聞くと
「うーん、そこに石があるから?笑 冗談です笑
まぁ、石を積むのが好きっていうこともありますが、たくさんの方の心を動かしたいっていう気持ちもあります。
子供たち(大人もですねw)はゲームやYouTubeも楽しいかもしれないが、自然の中にもお金をかけずにこんな楽しいことがあるやでっていうのを感じとってもらえたら嬉しいです」
とコメントする。
今回の作品を作るのに、かかった時間は「正確には計っていないがだいたい10~15分ぐらい」とのこと。また、使用したのは、全て鴨川にあった石だそう。
「石を積むよりも、使う石を探す方が時間がかかります。石を探すところからロックバランシングは始まっているので、その時点でもうドキドキ&ワクワクしています」
とくに難しそうに見えるアーチ状の部分の作り方を聞くと
「口で説明するのは難しいのですが、まず画面左の石を左方向に押し付けます。
そして、次の石を同様にグッと押さえ付けながら重ねていきます。
それの繰り返しです」
と説明する。接着剤などは一切使っていないとのことなので、押し付けるだけで石のバランスを保っていることになる。なんとも不思議だ。
作品がツイッターで話題となったことへの感想を聞くと
「私は石を積んで4年半が経ちました。 最初は石にしかフォーカスできなかったのですが、段々と技術が向上していくにつれて、心の視野も広がってきて、自然から大切なことを学ぶようになってきました。
今では有難いことにロックバランシングでもお仕事を頂戴するようになりました。
これからもいろんな方とドキドキ&ワクワクを共有できたらいいなぁと思っています」
とした。