南部鉄器職人「最近、汽車の形をした文鎮がよく売れる。なぜ...?」→完全に鬼滅ブームの影響だった
2020.11.09 06:00
岩手軽便鉄道を模した汽車の文鎮
南部鉄器工房及富は、創業以来172年という伝統を受け継ぐ南部鉄器工房だ。菊地海人さんはこの工房の跡継ぎとのこと。いま売れ行き好調の「汽車文鎮」は、そもそもどんなきっかけで生まれたのか、聞いてみると......。
「製作が開始されたのは、1990年代、日本国内で宮澤賢治ブームにあった頃と記憶しています。
弊社として、宮澤賢治に因んだものを作ろうということで、3種類の文鎮を作りました。 汽車、宮澤賢治像、本の文鎮です。
これは岩手県内の賢治ゆかりの地だけではなく、お土産もの屋さんでも取り扱いいただいております」
宮沢賢治の代表作、「銀河鉄道の夜』のモチーフになったとされる、岩手軽便鉄道を模した汽車の文鎮だという。素材は鋳鉄、幅18.5センチ、奥行1.2センチ、高さ2センチ、重量230グラムである。
「10月くらいから汽車文鎮が売れ始めました」と、菊地さんは語る。「汽車文鎮は以前から子供達にも大変人気があるのですが、親御さんと一緒に来た小学生の男の子が、『鬼滅じゃん!』と、目を輝かせていたのを覚えています」
机の上に汽車文鎮があれば、無限列車を連想し、テンションが上がって、学習意欲も向上するのかもしれない。これも鬼滅効果の一つだろうか。ちなみに汽車文鎮の価格は、2200円だ。子どもたちが勉学に励むきっかけになれば、安いと言えるだろうか?
ちなみに、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が封切られたのは10月16日のことだ。
菊地さんは一つ付け加えた。
「デザインのエピソードが一つありまして、汽車が逆だと言う指摘をされる方がよくいらっしゃるのですが、これは岩手軽便鉄道のありし日の姿を写真撮影されたものが、賢治記念館に残っており、それを参考に造形したものです」
あくまでも、岩手軽便鉄道がモデルであることを強調した。今回話題の無限列車とはまったく関係ないので、一応、念のため。
「でも、ちょっとかっこいいかも......」 Jタウンネット記者も、少しテンション上がった。