ここ、本当に奈良公園...? 紅葉の中佇む鹿たちが完全にファンタジーの光景だった
美しい風景の中でマイペースにもぐもぐ
投稿者のしかCさんは、大阪府出身で奈良県在住。
初めは奈良の風景が好きで、いろいろな場所の写真を撮っていたが、奈良公園の鹿の魅力に気付いてからは「風景の中に鹿がいないと撮る気にならない程になってしまいました」というほど鹿に夢中に。
毎日好きな時に鹿の写真を撮りたいがために、2年前に奈良に移住したという。
様々な季節の奈良公園と鹿たちを見てきたしかCさんによると、これからの季節、木々の紅葉がさらに進み、奈良公園はどんどん美しくなっていくという。
「飛火野のナンキンハゼ、大仏池の大銀杏、水谷茶屋の紅葉の絨毯、その他名所だらけですが、その色づいた美しい風景の中でも鹿は下を向いて芝やどんぐりを食べ続けており、人間が勝手に感じ入る秋の移ろいや世界遺産などは無関係とばかりにマイペースに過ごしている鹿がとにかく愛おしいです」(しかCさん)
確かに、写真の鹿たちはカメラすら気にすることなく、のんびりと時間を過ごしているように見える。
今回の投稿の写真は全て、27日の早朝に撮影したもの。
「うっすら立ち込める早朝の霧とそこに差し込む太陽の光、さらにこの時期特有の色づき始めたナンキンハゼとの組み合わせで鹿を出来る限り美しく撮ろうとこだわっています」
としかCさん。撮影テクニックや、撮影後の色の微調整などにもこだわり、象徴的・印象的な構図になるように意識しているそうだ。
もちろん、奈良公園とそこにいる鹿たちが魅力的なのは秋だけの話ではない。
しかCさんによると、鹿たちの顔や佇まいは妙に哲学的で、「勝手に人がいろいろ想像する余地」を与えてくれるという。
「本当はただ『お腹へったな』とか思っているだけの鹿がそこに立っているだけなのに、それを1枚の写真にするだけで物語が始まるような気がしてきます。
また、奈良公園に訪れる人間と鹿の奇妙な関係性もとても魅力的です。 鹿にとってみると、人間は怖いけど餌もくれる不思議な存在で、日々の暮らしにおいて人間の影響力はかなり大きそうです」
人間とかなり近い距離で暮らしているが、あくまで野生動物である奈良公園の鹿たち。そのなんとも言えない距離感が、どこか神秘的な雰囲気を醸し出しているのかもしれない。