東日本の人間は「551のアイスキャンデー」を知らなかった 関西では超メジャーだけど...それ以外は「食べたことない」
「551の豚まん」といえば、大阪名物の一つ。
551蓬莱(大阪市)が1945年の創業時から販売している商品で、関西人は、これが「ある時」は大笑いし、「ない時」には悲しみにくれるという...(551の定番のテレビCMだ)。
大阪土産にもらったことがある、という人も少なくないのではないだろうか。
では、「551のアイスキャンデー」はどうだろう。
こちらは、同社が1954年から販売している商品。
兵庫県出身の筆者にとっては、豚まんと同じくらいお馴染みの存在だが、アイスという商品の特性上、遠方へのお土産には向かない。やはり関西以外ではあまり知られていないのだろうか?
Jタウンネットでは2020年7月 8日~20年10月5日にかけて、「551のアイスキャンデー、食べたことある?」をテーマにアンケートを実施した(投票総数2592票)。
知っている人が多数派だけど...
そもそも、「551のアイスキャンデー」はどの辺りまでその名を轟かせているのだろう。
アンケートでは、「食べたことがある」「食べたことはないが、知っている」「まったく知らなかった」の3つから回答を選んでもらった。
そのうち、「食べたことがある」「食べたことはないが知っている」を「知っている」として、「551のアイスキャンデー」の認知度を調べた結果がこちらだ。
全体の結果としては、「食べたことがある」(48.0%)と「食べたことはないが、知っている」(16.6%)が合計で64.6%、「まったく知らなかった」が35.4%。6割以上の人が「551のアイスキャンデー」を知っていた。
しかし、地図でご覧の通り、認知度には大きな地域差がある。関西以西では、知っている人が多い地域がほとんどだが、関西より東では、まったく知らなかった、という人が優勢だ。
より細かい数字を見ると、関西2府4県での知名度が圧倒的。
和歌山では100%、京都(98.3%)・大阪(93.4%)・兵庫(96.9%)・奈良(98.0%)では9割以上、滋賀では88.1%が「551のアイスキャンデー」を知っていた。
それもそのはず。「551のアイスキャンデー」が販売されているのは、オンラインショップを除けば551蓬莱の店舗のみ。同社は合計59の店舗を運営しているが、それらはすべて関西2府4県に集中している。
そして、アイスキャンデーはやはり夏に人気の商品。一部店舗を除けば、店頭に並ぶのは暑い時期だけだ。
また、Jタウンネット編集部が同社の広報担当者に聞いたところ、持ち帰り時間の上限はドライアイスを入れて2時間なので、遠方に移動する人が多い新大阪エリアや空港などの店舗では取り扱っていないそう。
加えて、551がテレビCMを放送しているのも関西が中心。一部、四国などでも映る場合もあるようだが、関西以外に住む人がこの商品を知り、そして手にする機会はあまり無いのかもしれない。
ちなみに、関西以外で知っている人が多かったのは、徳島(95.2%)。
また、鳥取(77.8%)、島根(75.0%)でも比較的多い。それ以外の黄色く色付けした地域では5〜7割程度が「551のアイスキャンデー」を知っていた。中部地方であり、近畿地方でもある三重では68.6%に留まった。
関西人の7割以上が「食べたことがある」
では、実際に食べたことがある人はどれくらいいるのか。
「食べたことがある」と答えた人が多かった地域を、その割合ごとに塗り分けると以下のようになる。
やはり、食べたことがある人は関西に集中していた。
割合が大きい順に、奈良(88.0%)、大阪(83.0%)、和歌山(77.8%)、兵庫(68.8%)、京都(68.3%)、滋賀(64.3%)。関西では、「551のアイスキャンデー」を知っている人の大半は、食べたこともあるようだ。
なお、「知っている」人があれだけ多かった徳島では、「食べたことがある」は57.1%に留まった。もちろん少なくはないが、認知度との間の開きが大きい。
サンテレビ(兵庫県神戸市)のウェブサイトによると、徳島の82.1%の世帯で同局の放送を視聴できるらしい(17年時点)。551蓬莱の広報担当者によると、サンテレビでも同社のCMを放映しているそうなので、認知度の高さはそれに起因しているのかもしれない。
だとすれば、徳島では多くの人が「ない時...」と涙を飲んでいるのだろうか。
(10月19日15時00分編集部追記)記事初出時、地図に誤りがあったため修正しました。