物産館の支配人に「ファンレター」 岡山・刀剣の里の一人旅女性向け対応が、「審神者」のハートを鷲掴みにしてるらしい
女性1人旅をターゲットに、個食対応!
長船ふれあい物産館支配人はまずこう答えた。
「女性1人旅を中心としたターゲットは絶対で、個食対応と、観光課担当者に厳しく言われております」
国宝の「山鳥毛」が故郷である瀬戸内市に帰ってきたことで、市はその対応を研究したらしい。『刀剣乱舞』ブームもあって、女性の来場者が多く、しかも1人旅が大半と予想したようだ。物産館で販売するお弁当やスイーツ、お土産なども、女性の1人旅を意識して準備したという。
「岡山はシャインマスカットが人気ですが、房で売るのは量が多すぎるので、10粒くらいをカップに入れて、400円で販売することにしました。これが好評でした。女性1人旅のお客様が何を喜んでいただけるか、いろいろなことを教えていただきながら、毎日精一杯やっております」
毎日の努力の成果か、「その場で食べるパフェ以外は『女一人でも』『旅の合間に』食べきれて荷物になりにくいのが有難いんだよね...おかげでいろんな種類を買ってしまった」などの声も上がっている。
支配人は同館の公式ツイッター(@osafune_sword)の「中の人」も担当しているが、ツイッターで発信するのは初めての経験だという。自分のスマホで写真を撮り、自分で考えた文章と共に投稿するのも、今までまったくやったことがなかったと告白する。
公式ツイッターとは、たとえばこんな感じのツイートを発信している。
ツイートには、「中の人」の、謙虚で誠実な人柄がにじみ出ていると、ツイッター上では評判になっている。
同館で販売される商品には、上杉謙信の愛刀だった山鳥毛にちなんだ工夫が生かされているという。おにぎりの上に梅干しをのせるのも、その一つ。
別のツイートでは、刀匠ゆかりの地を訪ねる小さな旅も紹介している。「山鳥毛」を生んだ故郷とはどんなところなのか、興味をそそられる人も多いようだ。
また、こんなツイートもあった。
ゲーム中で、「山鳥毛」は審神者を「小鳥」と呼んでいる。ツイートの「小鳥さん」とは刀剣乱舞のプレイヤーを指す様子。
ファンレターまで届くとは、長船ふれあい物産館は、審神者たちの心をがっちりつかんでしまったようだ。
物産館支配人の年齢は60代というが、初めて担当する公式アカウントの「中の人」に悪戦苦闘しているようで、運営については
「現在、ツイッター等では私どもに過分な評価を頂いております。これは本当に有難いと思うと同時に、事前の期待値が高いと、それを裏切った際の落胆にもつながります」
と、あくまでも謙虚に語る。「中の人」の好感度が上がる一方なのも、納得だ。
備前長船刀剣博物館での「山鳥毛」特別展示は10月4日まで。新型コロナウイルス拡大防止のために行われている入館予約は、既に定員に達しているという。
これから「山鳥毛」を鑑賞できる幸運な審神者は、物産館の「神対応」も体験してはいかがだろう。