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京都の小学生が背負う黄色いカバン「ランリック」が話題に ランドセルとの違いは?製造会社に聞いた

松葉 純一

松葉 純一

2020.09.10 11:00

「ラン活」という言葉があるそうだ。

ランとは、ランドセルのこと。小学校入学を控えた我が子に、どんなランドセルを選ぼうか、と真剣に活動するパパママが多いそうだ。この「ラン活」は年々激化しているという。価格もかなり高額化していることもあり、お気に入りのランドセルを手に入れようとすると、なかなか大変なことになっているらしい。

そんな中、「京都ではランドセルじゃなくて、ランリックだよ」という話題が、いまツイッターを賑わせている。

「ランリックって何だろう?」ツイッターにはさまざまな反応が巻き起こり、一時騒然となった。

ランリックとは、こちらのカバン。

ランリック(画像提供:マルヤス)
ランリック(画像提供:マルヤス)

京都出身者からはこんな声が寄せられている。

「そうそう! 京都ですが近所の子供達は大体ランリュックです。三色選べるようになってます」
「小学生の時、使ってました。サイズもあって6年間使うってことで 親が1番大きいサイズを買ってくれたのを覚えています! おかげで1回も買い替えせずに 6年間使い切りました!」
「コレ! 私も子どももずっとコレ笑笑 汚れたら買い替えしやすくて、お下がりもしやすいです。 どのランドセルがいいとか色も悩まなくていいし、メリット多いですよ」
「我が家も京都に近いせいかランリュックのお世話になりましたよ。軽くて丈夫。雨の日はカバーをつけるけど高学年になれば濡らさない」
「皆さん、耐久性を心配されてますが、クラスのほぼ全員が、6年間使えてましたよ♪ 投げても壊れないし笑 遠足もこれで行けるし、遠足用のリュックも買わなくて大丈夫なのもいいですね」

ランリック、ランリュックと、呼び方は多少違うようだが、軽くて丈夫、遠足も行けると、絶賛する人が多い。

ランリック(ランリュック)とは何なのか。なぜ京都で使われているのか。

Jタウンネット編集部は、ランリックを製造販売する、マルヤス(京都府向日市)に取材した。

ランドセルとリュックサックの機能を合わせ持つ

販売当初のランリック(画像提供:マルヤス)
販売当初のランリック(画像提供:マルヤス)

Jタウンネット編集部の取材に応じたのは、マルヤスの広報担当者だった。

担当者によると、ランリックは、1968年(昭和43年)に誕生した。

当時、ランドセルは非常に重く、発育ざかりの児童に負担がかかり、健康的ではかった。交通事情が悪い中を児童が通学する為、交通事故に遭う心配があるなど、数々の弊害もあったそうだ。

また、ランドセルは年々高級化し、保護者の経済的負担も大きかったという。

そんな背景から、当時の長岡第三小学校の校長が「軽くて、安価、遠足にも使用できる物を」とランドセルについて研究していたところ、ある保護者が切々とこんな話をしたそうだ。

「私の家は貧しいから子供に高価なランドセルを買ってやれないので、豚革のランドセルを買いました。子供は喜んで、いつから学校へ行けるのや、と毎日楽しみにしておりました」
「いよいよ学校が始まり、楽しそうに通学しておりましたところ、ある日学校の帰り道、お前のランドセルは、穴がいっぱいあいている、これは豚やと言って、ことあるごと、ブタ、ブタ、といじめられるので、学校好きの子供が学校へ行くのがいやだと申します」

この話を聞いて、校長はマルヤスにランドセルに代わる通学カバンの製造を依頼したという。

「開発にあたり、カバンの色は、『子供を交通事故から守る』との願いから、道路警戒標識をモチーフに黄色と黒色となりました。そこから、色々な試行錯誤を重ね、先生方や保護者の皆様の暖かいご理解・ご協力により、軽くて、安価、交通安全も意識したランリックが誕生しました」

誕生当初は、ナップサックに近いものだったが、「教科書の角が折れる」「肩ベルトが肩に食い込んで痛い」などの声を参考に、改良が進められてきた。

1970年代後半のランリック(画像提供:マルヤス)
1970年代後半のランリック(画像提供:マルヤス)

そうしてできた、現在のランリックの特徴はどんな点か。担当者に聞くと4つのポイントが返ってきた。

「まず、視認性です。ランリックは、『お子様を交通事故から守りたい』という願いのもと生まれた黄色のカバンです。小さなお子様は、車の運転手からは視認しにくいものですが、ランリックは黄色と黒の安全配色でよく目立ち、防犯面や交通安全に効果的です。

次に、軽量であること。ランドセルは1キロ以上するものが大半で、これに教科書やノートを入れると...ランリックの重量は700グラム前後です。たった300グラムの差かもしれませんが、小さなお子様にとっては大きな差となります。

そして、耐久性です。ナイロン製だし、安いものは耐久性が...と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ランリックは意外と丈夫で、6年間一度も買い換えせずに卒業される方が、ほとんどです。

さらには、低価格。ランドセルの価格は4~6万、高価なものだと10万円以上しますが、ランリックは、1万円前後でご購入いただけますので、途中で買い替えたとしてもランドセルより安く済みます。また、ランドセルとリュックサックの二つの機能を合わせ持っていますので、遠足や社会見学にもご利用いただけます」

現在、ランリックは、宇治市や亀岡市、城陽市など、京都府南部の小学校で採用されている。京都市では一部の小学校、大阪府堺市、高槻市の一部の小学校でも採用されているという(2020年現在)。「各小学校でランリックが指定されているというわけではありません。あくまでも推奨していただいているのが、実状です」とのことだ。

ところで、ランリックを「ランリュック」と呼ぶ人も多かった。同社のウェブサイトでも「ランリック(ランリュック)」と表記されている。

2つの呼び方があるのは何故か聞いたところ、「開発した初代社長故鈴木正造が、リュックサックのことを『リック』サックと言っていたので、このような名称になったと思われます」と広報担当者。

ランドセルの「ラン」とリュックサックの「リュック」を合わせて「ランリュック」となるべきところ、社長の口癖で「ランリック」になってしまったということだ。結局、どちらでもOKにしたようだ。

また、今回、SNSで話題になったことについては、

「ランリックが誕生して今年で52年。多い時には年間2万個以上も製造しており、少なく見積もっても今までで、50万人以上の方が使用してきていただけたのかと思うと、感慨深いものがあります。

今回、今までランリックをご存じなかった方に、通学カバンとして、ランドセルの他にも、ランリックというカバンがあることを知っていただくことができたこと、自分がランリックを使っていたのを思い出していただけたこと、大変うれしく思いました」

とコメントした。

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