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世界に1台?希少な「味噌汁自販機」がタイヤ屋に なぜ設置したのか、社長に経緯を聞くと...

井上 慧果

井上 慧果

2020.08.10 08:00
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廃棄直前のものを救出していた

Jタウンネットが7月30日、投稿者のたけしろうさんに話を聞いたところ、味噌汁自販機を利用したのは20日のこと。

赤だしの味噌汁を飲んだそうで、具材はわかめと万能ねぎだったという。味の方は、あまり期待はしていなかったそうだが、「久しぶりにおいしい赤だしみそ汁を飲みました」。

自販機の味噌汁を飲んだ感想については、

「自販機に100円を入れて、ボタンを押し、カップにみそ汁が注がれている様子を観察し、取り出すまでの行為そのものが希少価値があり非常にワクワクします(中略)単にお金を払ってみそ汁を飲むだけではなく、エンターテイメントと呼べる体験かもしれません」

と興奮気味に振り返った。なお、「世界で1台しかない」とツイートしたのは、ネットで得た情報がもとだという。

この味噌汁自販機の詳細を知るべく、Jタウンネットは3日、設置先の「中古タイヤ市場 相模原店」を取材し、齋藤辰洋社長に話を聞いた。

この味噌汁自販機を設置したのは、「20年の3月から4月ぐらい」(齋藤社長)。そこから遡ること1年前、自動販売機の修理工場の片隅に放置されていたものを社長が引き取ってきたという。

「だいぶ壊れていて中までボロボロだったので、あのままだったら100%スクラップされて廃棄されていたでしょうね」

その後、齋藤社長はセンサーをはじめとした部品を交換など、全て自力で修理し、使用できるようにしたという。稼働中の味噌汁自販機が「世界で1台」だと、ネットで言われていることについては

「恐らくそうなんじゃないですかね...」

としていた。

粉末状の素を使用している(画像はたけしろう@takeshiro1974さんより提供)
粉末状の素を使用している(画像はたけしろう@takeshiro1974さんより提供)

みそ汁の中身についても、齋藤社長が自身で調達したそう。

「今、世間で流通している即席味噌汁の素はペースト状のものが多いですが、自販機では粉末状のものじゃないとダメなんです。そのため、メーカーにお願いして、製造はしているものの普段はあまり流通していない粉末味噌汁の素を卸してもらっています」

捨てられていたものを自ら修理し、提供する中身も自ら調達している――そう考えると、もはやこれは齋藤社長オリジナルの味噌汁自販機と言っていいかもしれない。

そのほか、レトロ自販機コーナーに並ぶ種類豊富な48台の機械についても、主に社長自ら補充を行っているとのことだった。

新型コロナウイルスの影響で、一時的に減っていた利用者がだんだんと戻ってきているという同店。味噌汁自販機の利用も多いそう。

齋藤社長は、

「ツイッターで情報を見て来た、というお客さんもいらっしゃいました。皆さんが喜んでくださっていると、私も苦労して修理した甲斐があるなと嬉しく思っています」

としていた。

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