小田急・秦野駅でヤマビル大量発生 登山客の「お持ち帰り」で繁殖?注意喚起ツイートに反響
「ヒルは山で落とし、確実に塩やライターで仕留めてから下山をして!!」
あるツイッターユーザーによるこんな注意喚起が話題を呼んでいる。
2020年6月13日、投稿者のkoto(@akki_nyan)さんの夫が、小田急線秦野駅(神奈川県秦野市)の北口ロータリーに大量のヤマビルがいるのを発見。投稿によれば、駅員とともに、塩とガスバーナーを使って50匹以上を駆除したという。
秦野市は弘法山、塔ノ岳、鍋割山などがあることから、毎年多くの登山客が訪れる。しかし山間部ではニホンヤマビル(以下ヤマビル)の目撃情報や吸血被害が発生。kotoさんの投稿によれば現場に血液痕があり、登山客が連れてきてしまったものと思われる。
kotoさんが13日に投稿したツイートは18日夕時点で3万3000件以上のいいねが付き、反響を呼んでいる。他のユーザーからは、対処法に関する質問のほか、
「丹沢の山はよく登ってるときにヒルに気を付けろと言われたりしますが下山した後もしっかり気をつけないとダメなんですね」
「昔部活でシーズンの丹沢に行ったことあるがまさに地獄 3歩に1回はヒルを見かけ数匹が一目散に向かってくる」
「秦野ヒル多い山入ると気づかないうちにヒル付いてて、ヒルの怖さは秦野で学びました!」
といった体験談が寄せられている。
吸血されるとどうなる?
Jタウンネットは19日、小田急の広報担当者に詳しい話を聞いた。
秦野駅員に連絡が行ったのは13日22時30分ごろ。駅員2人で現場に向かい、一般人とともに40~50匹ほどのヤマビルの駆除にあたった。
当初は塩での対処を試みたが、対応しきれずガスバーナーを使用。駆除には40分ほどの時間を要した。
担当者によれば「こういった事案はこれまでに確認していない」とのこと。ヤマビルが散乱していた原因については分からないというが、
「すべてのお客様が気持ちよく安全にご利用できるように、ご協力いただきたいです」
としている。
神奈川県の公式サイトによれば、ヤマビルは吸血の際、痛みと血液の凝固を妨げる「ヒルジン」という物質を出すため、痛みはないが傷跡から出血が続くという。
直接命に関わることはないが、ごく稀に傷口から細菌類による感染を起こし、蕁麻疹や発熱などの症状が出ることもあるようだ。
県の公式サイトによると、県内では丹沢山地東部を中心に目撃されている。活動期は4~11月とされているが、気温、湿度、降水量の面から、最も活動に適しているのは6~9月だという。
また、秦野市の公式サイトでは吸血被害防止策として、肌の露出がない服装の着用や、靴と靴下の隙間にヤマビルよけの薬、もしくは濃度20%以上の食塩水をスプレーする方法を紹介している。
ヤマビルを退治するには...
では、万が一吸われてしまった場合はどうするのが良いか。
秦野市公式サイトでは、塩や消毒用エタノールをかける、火であぶる、指で引きはがすなどして取り除き、薬や塩剤で必ず駆除することを呼び掛けている。血を吸ったヤマビルを生きたままにしておくと、繁殖してしまう可能性があるからだ。
ヤマビルについて注意喚起のツイートをしたkotoさんは、投稿が話題になったことについて、
「ヤマビルは十分に吸血すると産卵するようになります。山レジャーを楽しむ者の一人として事実を知って欲しく、投稿をしました。ぜひ装備したうえで、たくさんの人にあの絶景をみてほしいなと思います」
と話している。