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「なぜメディアは料理の代金を払わないのか」 カフェ店主の問題提起に反響...何があった?本人に真意を聞いた

井上 慧果

井上 慧果

2020.06.20 08:00
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「撮影した料理で商売するのに原価分すら払わないのはなんで?」。

これは、秋田市の飲食店「Cafe&Kitchen ふわりずむ」のオーナーが2020年6月17日、ツイッターに投稿した一文。取材時に飲食代を支払わない一部メディアの姿勢に疑問を投げかける内容だ。

カレーとかき氷が人気のお店(画像はオーナーより提供)
カレーとかき氷が人気のお店(画像はオーナーより提供)

冒頭の問いかけと同じツイートで、オーナーはこうも訴える。

「TVや新聞は言わなくても撮影した料理に支払いして帰る
秋田の雑誌やウェブサイトは当たり前のように支払わないで帰る
経費で落とせばいいのになんで?」

投稿によれば、同じメディアでも、取材した料理の代金を払う・払わないの姿勢は異なるという。こうした状況を説明したうえで、オーナーは、

「次から食べ物に関してはお金を払わない取材は拒否します(中略)学生が百円玉かき集めて食いにくるのにダメだよ」

ときっぱり宣言している。

こうした問題提起に対し、ツイッターでは「これ本当に謎で、これだから地元誌の取材は受けたくないんだよね」「食べ物への対価としてお金払うのは当たり前」と、共感するコメントが多く寄せられた。

ツイートの真意や背景を聞くため、Jタウンネットは18日、Cafe&Kitchen ふわりずむのオーナーである小玉直史さん(35)を取材した。

「料理の代金も支払えないのに取材って...」

なぜ、今回の投稿をしたのだろうか。小玉さんに聞くと、次のように話した。

「きっかけは今まで全く付き合いがなかった地域のウェブメディアからの取材依頼です。取材したい、と連絡があったので、そのときに『取材のために作った料理の分の代金は支払ってもらいます』と言ったら『え?』とか、言われて。

『編集部で確認します』って言われて、結局『経費がないので今回の取材は、なしでお願いします』ということになったんです。料理の代金も経費で支払えないのに取材させてくれ、っておかしいよねって思って、不満に火がついてしまいました」

なお、同店のメインメニューであるかき氷やカレーはそれぞれ、1000円前後。飲食店としては妥当な値段、特別高いというわけではない。

シロップから手作りのこだわりかき氷(画像はオーナーより提供)
シロップから手作りのこだわりかき氷(画像はオーナーより提供)

そもそも小玉さんは、以前から取材用に用意した料理の代金を払わないメディアに対して不信感を抱いていたという。

「僕はお店を初めて3年ほどなんですけど、最初の頃は取材とかよくわからなくて、取材にきた地元の地域誌とかがお金を払っていかなくても、こういうものなのかな...と思っていました」

だが、店を続けていく内に増えてきた、新聞やテレビ(いわゆる、大手マスコミだ)の取材の際はしっかりと料理の代金が支払われたため、そうでないメディアに対する疑問が募っていった。

営業時間中はだいたい満席だという同店では、取材対応のために店を休みにすることも多い。また、提供する商品にはこだわっており、時には日を跨ぐこともあるほど、仕込みにも力を入れているという。

そうしたコストをかけて取材に応じているのに、当然のように代金も支払わずに帰って行かれたら――店主が不信感を持ってしまうのも無理はないだろう。

「料金を支払っていかないのは雑誌とか、地域のメディアとかで、そういう媒体は店を宣伝してあげてる...みたいな気持ちがあるのかもしれないですけど。
宣伝してほしいときはこちらもちゃんと有料の広告ページの料金を支払って掲載していますし、それと料理の代金を支払うことは別だと思うんですよね」(小玉さん)
ふわりずむの小玉オーナー(画像は本人提供)
ふわりずむの小玉オーナー(画像は本人提供)

小玉オーナーは、「一生懸命作っている、という点ではお客さんに出すものも、取材に来たメディアの人に出すものも同じ」と話す。そして、

「本当に腹が立ったので、今回はネガティブなことを投稿しましたけど、本当はメディアの方たちとも仲良くやっていきたいと思っているんです。だからこそ、お互いに仕事をしている大人同士の付き合いとして、当たり前でまっとうな対応をしてほしいです。

そうやって、取材する側とされる側が協力していけたらきっと、その後のお付き合いも含めて良い方向に向かって、いいものが作っていけるんじゃないですかね」

と強い思いを語った。

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