福岡人はヤモリのことを「かべちょろ」と呼ぶらしい
部屋の片隅にどこからともなく現れる、ヤモリ。
素早い動きで壁を縦横無尽に駆け回り、音もなく人々に忍び寄る。もし、家の中に現れたら...想像するだけで恐ろしいだろう。
しかしこのヤモリ、福岡では「かべちょろ」という、かわいらしい愛称で呼ばれているらしい。

発端となったのはあるツイッターユーザーの投稿。福岡人はヤモリやトカゲを「壁をちょろちょろ移動するから」という理由で、「かべちょろ」と呼んでいるという内容だ。
筆者としてはゴキブリよりも苦手なヤモリだが、そんなにかわいい名前で呼ばれていたとは知らなかった。編集部のメンバー(千葉、神奈川、兵庫出身)にも聞いてみたが、全員が「初耳」と話していた。
しかしツイッターでは、
「福岡です!かべちょろって言います トカゲよりヤモリに使います!」
「うちの嫁ちゃん(生粋の熊本県民)が『かべちょろ』て言ってたけと、まさか福岡の方言だったとは・・・・」
「ヤモリさんはこちら佐賀や福岡では『かべちょろ』と呼んでいます」
といった声が複数あがっている。福岡だけでなく、熊本や佐賀でも使われることがあるようだ。
九州出身者に聞いてみた
「かべちょろ」は福岡ではそんなにメジャーな表現なのだろうか。Jタウンネットは福岡出身の社員2人に聞いてみた。
まずKさん(40代)は、
「イモリとかヤモリとか、素早く壁を動くやつに使います。家族や友人なども使っていたと思います」
と回答。しかし最近は存在を見ていないため、かべちょろの呼称は使わなくなっているという。仮に発見したとしても「口をついて出るかは微妙」だとしている。
続いてFさん(50代)に聞いてみると、
「子供の頃、使っていた記憶がある。ヤモリのことだったけど、トカゲを含んだかは記憶があいまい」
とのこと。かべちょろと言っていたのは子供のころだけだが、友人達もそう呼んでいたという。
かべちょろは福岡出身者の2人には馴染みのある言葉だった様子。しかし長崎出身のEさん(30代)に尋ねてみると、「聞いたことがない」との返答だった。
かべちょろと呼ぶ地域は、九州の中でも限定されているのかもしれない。