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関西風のすき焼き、実はマイナーな食文化? 全国的に「煮る」派が優勢...大阪人も「わざわざ焼かへん」

Jタウン研究所

Jタウン研究所

2020.05.15 06:00
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ご馳走の定番「すき焼き」。皆さんのご家庭ではどうやって作っているだろう。

兵庫県出身の筆者の実家ではまず、まずすき焼き鍋で牛肉を焼き、砂糖・醤油・酒で味付けする。その後ネギや焼き豆腐などの具材を加えていくのだが、野菜から水分が出て徐々に煮物っぽくなっていく。

ヤマサ醤油(千葉県銚子市)の公式Facebookページ「すき焼きクラブ」によると、これは「関西風」のすき焼きらしい。

関西で牛肉を使ったすき焼きが創作されたのは、明治時代。その頃東京では、味噌で味付けた「牛鍋」が流行していたそうだ。専門店も次々とオープンしていたが、1923年の関東大震災で被害を受け、閉店してしまった店が多かったという。

その後、関西のすき焼きが関東に伝わり、肉と野菜をわりしたで煮込む牛鍋風の関東風すき焼きができたそうだ。

しかし、中には関東出身でも「関西風」のすき焼きしか食べたことがない、という人もいるようだ。そこで、Jタウンネットでは2020年1月14日~20年5月11日の期間、「すき焼きといえば『煮る』?『焼く』?」をテーマにアンケートを実施した。投票総数は962票。

はたして、すき焼きの作り方に地域差はあるのだろうか。

全国で煮る派が6割以上

まず、全体の結果を見ると、「煮る」派が61%、「焼く」派が39%。煮る派が優勢だ。

都道府県ごとに結果を塗り分けた地図がこちら。

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なんと34都道府県で「煮る」派が多数派だった。日本のかなりいろんな場所で、焼かないすき焼きが食べられていたようだ。焼かないすき焼きに対し、「そんなものはすき煮だ!」と思い続けてきた筆者は敗北感に襲われた。考えを改めなければならないようだ。

山梨、滋賀、和歌山では結果が均衡し、「焼く」派が優勢だったのは、岐阜、三重、京都、兵庫、徳島、愛媛、高知、佐賀、長崎、沖縄の10府県のみ。「関西風」だけあって、近畿地方周辺に「焼く」派優勢の地域が多いが、大阪・奈良では「煮る」派が優勢という結果に。

地方ごとに見てみると、関東地方、中部地方、中国地方の結果は全国平均並み。東北地方(北海道含む)と、九州地方(沖縄含む)では全国平均よりも「煮る」派が多いと言う結果に。東北では85%、九州では74%が「煮る」派だった。

一方、「焼く」派が比較的多いのは近畿地方と四国地方だ。近畿では52.3%、四国では64.2%が「焼く」派。関西風の本場である近畿で「焼く」派が約半数に留まったのはかなり驚きだ。

ちなみに筆者が思う関西風すき焼きの魅力は、味の濃さを自分の好みに調整しやすいことと、最初に焼くお肉のコンガリ食感と後で煮込むお肉の柔らかさの両方を味わえること。「煮る」すき焼きしか食べたことがないみなさん、ぜひ一度、「焼く」すき焼きも食べてみてほしい。

(10月19日15時10分編集部追記)記事初出時、地図に誤りがあったため修正しました。

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