「桜は受粉すると赤くなる」実はデマ Twitterで情報拡散も...専門家「関係ないです」
受粉しなくても赤くなる
まずは「サクラは受粉すると赤くなる」ということについて。こちらは事実なのか、さっそく勝木さんに聞いてみると、
「赤くなる要因はサクラの花の中央部(花弁基部・雄しべ・雌しべ)の老化によってアントシアニンが合成されるためで、『受粉』とは直接関係ないと考えられます」
受粉は関係ない...赤くなったサクラを見て興奮していたみなさん、お疲れ様でした。
勝木さんによると、受粉せずとも老化は進み中心部は赤くなる。それどころか、正常に受粉するとアントシアニンが増加する前、つまり赤くなる前に花弁が落下する場合も見られるという。
花の中心部が赤くなることが受粉と関係ないことは分かった。
しかし、ネット上にはもう一つの説がある。「真ん中が赤くなったら散るサイン」という噂だ。
実際、ウェザーニュースの「桜が散るサイン、ご存知ですか?」という記事(18年4月3日付)にも、ソメイヨシノは散り始める頃になると中心部が赤色に変わると記載されている。
はたして、これは本当なのだろうか。勝木さんは以下のように説明する。
「サクラの花弁は開花後に花の老化、あるいは果実の成長の過程で、基部に離層を形成して落下することになります。赤くなるのは老化のひとつの現れです。そのため老化が進んでいることを示すと考えられますが、赤くならずに落下する場合もありますので、必ず現れる『サイン』ではないとも考えられます」
つまり中心部が赤くなっている花については、老化が進んでいることに違いない。しかし先述したように、赤くなる前に花弁が落下する場合もあるため、必ずしも散り際は赤くなるというわけではないようだ。