「リツイート数だけお釈迦様に甘茶をかけます」→3万2551RT 壮大すぎる住職の挑戦、その結果は...
1600回を超えて...「ひしゃくが重い!」
緊急事態宣言の対象地域内、福岡県北九州市にある永明寺で、花まつりの日に参加できない人の代わりに、松崎住職が甘茶をかけ始めた。その様子は、YouTube動画で中継された。
最初は、花まつり、潅仏会の意義について、やさしく解説するようなトークを交えながら、まったりとスタートした。軽妙な語りと、ひしゃくで甘茶をかける動作と、iPadで回数をカウントするという、1人3役で、なかなかペースが上がらない。途中で、住職夫人がカウント役に入ることになった。
松崎住職の目的は、「花まつりとは何か? 多くの方々に知らせたい」ということだという。お釈迦様の誕生を祝う、こんな行事があることを広く知っていただきたい、と考えたからだ。
甘茶をかけるのは、釈迦の誕生の様子を再現しているそうだ。
「お釈迦様が誕生した時に、天上から甘露の雨が降り注いだと言われています。甘露の代わりが甘茶というわけです。甘露の雨というのは飲むと不老長寿になると言われています」
松崎住職のトークはおもしろくて、わかりやすいのだが......、甘茶かけのピッチはなかなか上がっていかない。
「お釈迦様は誕生されるやいなや、7歩歩いて、『天上天下唯我独尊』とおっしゃったそうです」と松崎住職。
「どんな人も尊い目的を果たす為に人間に生まれてきたのだと、すべての人は平等である」
......という意味らしい。
お釈迦様のありがたいお言葉を解説しながら、甘茶をかけ続ける。ところがカウント数が1600を超える頃に、「ひしゃくが重い!」という言葉が、松崎住職の口からもれた。アクシデント発生か? 前途多難である。
「一人ではペースアップは難しい。中継動画をご覧の方で、どなたか有志がいらしたら、手伝っていただけるとありがたい」という言葉も出た。しかし、まだ笑顔だから、大丈夫だろう。
応援に現れたのは、北九州市の近隣にある最勝寺の八代副住職だった。永明寺と同じ浄土真宗本願寺派のお寺から、駆け付けてくれたようだ。
八代さんはご自慢の美声でお経を読み、松崎住職を励ます。
その後、二人でひしゃく2本を持ち、ピッチを上げて、甘茶をかける。この強力な援軍のおかげで、カウント回数は着々と増えていった。カウンターを押す手が追い付かないこともあるほどだ。カウント役は、住職夫人から高校生の息子さんに代わっている。高校も休校中だから、「ま、いいか」と参加してくれたようだ。
22時過ぎ、2万回を数えたところで、8日の潅仏会はいったん中断された。翌9日の14時から、再開されることになった。