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関東人「奈良県最南端の駅は...この辺かな?」 →現実がこちらです

井上 祐亮

井上 祐亮

2020.02.26 06:00
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奈良と聞いてイメージするのは、東大寺の大仏や、春日大社、薬師寺、唐招提寺といった古都奈良の文化遺産だろう。そのほとんどが、奈良県地図でもっとも北にある奈良市とその近郊にある。

したがって鉄道路線も......。

「奈良県最南端の駅」について、2020年2月16日、次のようなツイートが投稿され、話題となっている。

ツイートには、手描きの奈良県の略図が示され、右下の部分に「関西以外の人がイメージしそうな奈良県最南端の駅」、中央部左側に「実際の奈良県最南端の駅」と書き込まれている。

さて、奈良県中央部にある「実際の奈良県最南端の駅」とは、いったいどこだろう。そして、それより南の鉄道が通っていない地域には、いったい何があるのだろうか。Jタウンネット記者が調べてみた。

奈良最南端の駅はどこだ

「ひがみ(日上)」(@U_higami)さんのツイートより
「ひがみ(日上)」(@U_higami)さんのツイートより

「実際の奈良県最南端の駅」とはどこか? Jタウンネット記者が調べてみると、奈良県五條市にあるJR大和二見駅が最南端(北緯34度20分45.53秒)だった。しかしこの駅は無人駅だ。

その隣に、JR五條駅(北緯34度21分20.22秒)がある。こちらは有人駅であり、みどりの窓口もある。実質的には、ここが最南端と言ってもいいのかもしれない。

一方、五條市の東方に位置する吉野町の近鉄吉野駅ではないか、という声もネット上にあったので、一応調べてみた。だが「北緯34度22分36.95秒」で、わずかに北にあることが分かった。

つまり、奈良県最南端はJR大和二見駅であり、JR五條駅がナンバー2である。そこから南には、鉄道の路線はなく、駅もない、鉄道空白地帯ということだ。

奈良県の下半分に行くには、バスや車で行くしかないのだろうか。Jタウンネット記者は五條市観光課に聞いてみた。

「五條駅の近くに、奈良交通の五條バスセンターがあり、そこからバスを利用される方が多いですよ。また京奈和自動車道の五條インターを下りて、南へ向かう車も多いと思います」

五條市観光課の担当者は、かつて五條市から和歌山県新宮市までを結ぶ「五新鉄道」の計画もあった、とも教えてくれた。紆余曲折があり、結局、「五新線」構想は中断されてしまった。

「五條市から国道168号線を通って、奈良県の最南端の村・十津川村に観光に行かれる方は多いですよ」と五條市観光課。

奈良県最南端の村とは、いったいどんなところなのだろう?

Jタウンネット記者は十津川村に電話した。

「日本一長い路線バス」が通る

谷瀬の吊り橋(Kohei Fujiiさん撮影、Wikimedia Commonsより)
谷瀬の吊り橋(Kohei Fujiiさん撮影、Wikimedia Commonsより)

取材に答えてくれたのは、十津川村観光課の担当者だ。

「五條市から南の一帯は吉野郡と呼ばれていますが、十津川村は吉野地域の中でも、もっとも南に位置しています。奈良県内ではもっとも大きな村で、東西33.4キロ、南北32.8キロもあり、面積の約96%を山林が占めています」

吉野郡には、吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、野迫川村など、11町村が含まれるが、十津川村はその南端にあり、最大の村だ。三重県、和歌山県と県境を接しているという。

「谷瀬の吊り橋」と呼ばれる日本一長い鉄線吊り橋、笹の滝など、深い山の中で、美しい大自然に触れ合えるそうだ。

日本一長い路線バス(奈良交通)も、この村を通っている。近鉄大和八木駅をスタートして、五條バスセンターを経由し、谷瀬の吊り橋で休憩をとった後、十津川村内の温泉での宿泊もできるそうだ。村内には、湯泉地(とうせんじ)温泉、十津川温泉などがある。

このバスは十津川村の果無(はてなし)集落を過ぎた後、和歌山県に入り、熊野本宮大社を経て、終着駅の新宮駅に向かう。大和八木から新宮まで、全長166.9キロ、停留所の数は167だという。

所要時間は、6時間から7時間近くかかるらしい。十津川村観光課は、村内の温泉に泊まることを激推しだった。

熊野古道小辺路(VKaeruさん撮影、Wikimedia Commonsより)
熊野古道小辺路(VKaeruさん撮影、Wikimedia Commonsより)

さらに十津川村担当者はこう付け加えた。

「十津川村で忘れてならないのは、世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』を構成する登録資産として、熊野参詣道小辺路(こへち)と大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)があることです」

小辺路は、高野山と熊野本宮大社を結び、紀伊山地を南北に縦走する道。大峯奥駈道は、吉野と熊野を結ぶ大峯山を縦走する道。どちらも険しい峰々を踏破する修験者の修行のルートだ。

熊野古道に関心のある人には、興味深い話かもしれない。ただし登山用の装備を整え、単独行動はとらないなど、安全対策にくれぐれも配慮して挑む方がいい。

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